執筆者 小松 裕介 | 10月 3, 2020 | CEO

前回に引き続き、リーダーが身に着けなければならないスキルである利害関係の調整について共に考えたいと思います。
何のためにリーダーは利害関係の調整を行うのでしょうか?
利害関係の調整は、当事者の過去の行動を裁くようなものではありません。調整の過程で、過去の行動も検討項目としては含まれるかもしれませんが、極めて未来志向なものなのです。
より良い未来のために、リーダーは、利害関係の調整を通じて、各当事者に前を向かせて歩ませなければならないのです。
そのため、リーダーは、未来のためにどうすればいいかという観点から、こんがらがった当事者同士の利害関係を調整しなければなりません。
過去に焦点を当てれば、どうしても過去に縛られてしまい、解決策となる選択肢は限られてしまいますが、未来志向ならば選択肢は無限にあります。
利害関係の調整の手続きは、公明・公平なプロセスとお互いの納得度が大事になります。
利害関係の調整では、裁判のように、論理的な主張が必要だったり証拠提出が必要だったりするわけではありません。お互い納得できるのであれば、リーダーが真実を探すために情報収集・情報分析したり、説明が下手な当事者の心情を汲み取ったりすることも許されるのです。
また、利害関係の調整方法も、必ずしも金銭的なものに限られるものではありません。お金はあくまで調整方法の一つであって、人が主役であることを忘れてはいけません。
このようにリーダーによる利害関係の調整は、極めて未来志向で、手続きも調整結果も、ルールやお金に縛られることもなく、人にフォーカスを当てたものなのです。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.53】
リーダーシップで、一番大事なものは何ですか?
<コメント>
私は、リーダーシップで一番大事なことは、誰かのためにより良くしたいという想いだと思います。
実際のリーダーシップでは、想いだけでは足りず、行動まで求められるのは言うまでもありません。
リーダーには、正しさや倫理観があることを前提として、一定のマネジメント能力、コミュニケーション能力、情報分析能力、やり抜く力や巻き込む力などが必要になります。
但し、リーダーの中核にあって原動力となるのは、誰かのためにより良くしたいという想いだと思います。
この想いがモチベーションとなって、勇気を持って、一歩踏み出せるようになれば、それは立派なリーダーシップだと思います。
リーダーとは、暗闇の中、集団の先頭で、たいまつを持って、フォロワーを率いて進む存在です。
全てはこの想いからスタートするリーダーシップの旅なのです。
※この記事は、2020年10月3日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 9月 26, 2020 | CEO

今回から数回にわたり、リーダーが身に着けなければならない必須のスキルである利害関係の調整について深堀りをしたいと思います。
リーダーとして、多くのフォロワーや周囲の人々と接するようになると、利害関係の調整を求められることが増えてきます。
それは自分たちの組織と外部組織の調整の時もあれば、リーダーとフォロワー、フォロワー同士の調整の時など様々なケースがあると思います。
本稿で言及する利害関係の調整とは、過去の行動に関して、法律や規則に基づいて判断を下す裁判官のようなものではありません。
改めて記載をすると滅茶苦茶のように思うかもしれませんが、例えば、世間水準として劣るかもしれなくとも、当人としては最大限がんばっていたから、今回は甘く有利な調整をしたり、利害関係の調整の対象者が、将来の幹部候補だから、ここは一つ期待を込めて厳しい評価としたりするなど、リーダーの利害関係の調整は、過去の行動のみを評価したものではなく、奥深いものです。
リーダーとしての影響力が増え、フォロワーや周囲の人々からの信頼が増せば増すほど、面白いことに、このような利害関係の調整に関する相談事が増えてきます。
極端な話、優れたリーダーには、専門分野ではなかったり、ステークホルダーではなかったりするにも関わらず、リーダーに判断・調整してもらいたいという話まで来るのです。
特に日本はまだまだ村社会ですので、2020年においても、いろいろなコミュニティで顔役と言われるような方が存在していて、非公式なパワー・リーダーシップに依拠した「どうかここは私の顔に免じて・・・」が未だに残っていると思います。
利害関係の調整は、それぞれの人間性、それぞれの人間関係も踏まえた上で、公明・公平なプロセスとお互いの納得度の高い結果が求められます。
優れたリーダーは、利害関係の調整を通じて、適切なフィードバックも同時に行い、フォロワーを成長させるばかりか、利害関係の調整ができるリーダーとして自分の信頼も更に高めていると思います。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.52】
私は人事担当をしていますが、人事担当がリーダーシップを語ることをどのようにお考えでしょうか?
<コメント>
本連載でも繰り返し記載をしてきておりますが、本来、リーダーシップとは、ありとあらゆる人が発揮すべきもので、リーダーシップに組織における立場は関係ないのです。
そのため、人事担当であれ、リーダーシップを語ることに違和感はありません。
注意点としては、これは人事担当に限らないとことですが、自分の言葉で話をしているかということがあると思います。
聞き手に、リーダーである経営者の言葉を借りてきていると思われているようならば注意が必要だと考えます。もし組織マネジメントの一環・役割として話しているならば、気のない言葉ほど、聞き手が興ざめするものはありません。
周囲の人々に一番影響力があるのは、フォロワーが、リーダーに心から共感して、自分の言葉として、リーダーと同じ内容の話ができることなのだと思います。
また、くれぐれも言葉だけにならないように気をつけなければなりません。リーダーシップには行動が不可欠です。
リーダーシップは、誰が語っても発揮してもよいでしょう。自然体で、世のため人のため、みんなのために、自分ができることをすれば良いと思います。
※この記事は、2020年9月26日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 9月 22, 2020 | CEO

私は「Lead with love.」というリーダーシップにかかる格言が好きなのですが、いかに常日頃から愛情を持ってフォロワーを導くことが難しいかを考えてしまいます。
マザーテレサは「愛の反対は憎しみではなく無関心」と言いましたが、まさにそうで、自分たちの夢や希望を実現することばかりに熱心になってしまうと、フォロワーがあたかも組織の歯車のように記号化してしまい、フォロワー個々への関心がどうしても薄れてしまうのです。
本来ならば、リーダーならば、自分と同じ船に乗ってくれているフォロワーの顔色や声色で、個々人が抱えている様々な問題を察することができなければならないわけですが、夢や希望にイケイケ・ドンドンで前のめりになっていると、どうしてもフォロワーの心配や不安などのケアが不足してしまいがちです。
特に、一般的に、リーダーと違って、フォロワーは「弱い」人が多いわけです。ついうっかりリーダーである自分と同じ価値基準でフォロワーと向き合ってしまうと、フォロワーが耐えきれずに物事がうまく進まない可能性があります。
私が尊敬する先輩経営者やメンターの方々は、愛にあふれている方ばかりで、いつも本当に凄いと感心しています。
具体的には、出会った人々の年齢、キャリア、トラックレコード、出身地、家族構成、好き嫌いなどの情報をしっかりと記憶されているのです。今の時代ですと、個人情報保護の観点から、所属する会社ですら聞けないような個人情報を、その人に嫌がられることなく、ホイホイ聞き出して、しっかりと覚えています。
また、電話やメールの文面だけでも、行間を読み取ることができ、相手の感情を手に取るように理解されているのは神業だと思います。
これらは、その人に関心を持たなければできることではありませんし、人が好きでなければできることではありません。
もちろん一人の人間の能力として記憶力には限界があるでしょうが、自分の能力の多くをフォロワーに割いているところが、活躍している多くのリーダーの凄みだと思います。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.51】
リーダシップと身勝手な行動は、どのように違うのでしょうか?
主体的に課題設定をし行動することは、時として他のメンバーから煙たがれることもあるかなと思います。
<コメント>
リーダーシップは、一般的には主体性を指すことが多いものの、身勝手な行動とは一線を画しています。自分がやりたいことを身勝手に好き勝手に行うことを、リーダーシップとは呼ばないでしょう。
世のため人のため、組織のため、誰かのために、誰にとっても明らかに正しいことを主体的に行うことをリーダーシップと呼びます。
一般的に、リーダーシップは誰が発揮してもよいものと言われていますが、その人が組織に属している場合は、原則として、組織のルールや手続きを守って、リーダーシップを発揮する必要があります。
ご質問で「他のメンバーから煙たがれる」と記載がありますが、煙たがれるには、以下の3つの理由が考えられるのではないかと思います。
1つ目は、質問者の方がリーダーシップと思っている行動が倫理的にも組織が掲げる目標としても正しいかどうかがあると思います。行動自体が明らかに間違っていれば、それは非難される可能性があります。
2つ目は、リーダーシップと思っている行動に、中長期的に実現可能性があるかどうかです。短期的には、リーダーシップを発揮した行動が正しくとも、中長期的な実現可能性が乏しければ、多くの人はついて来ない(正確には、ついて来れない)可能性があります。基本的に、人は「性善なれど弱し」です。負け戦の可能性が高いと思えば、やりたくない理由や言い訳を探されて非難される可能性があります。
3つ目は、コミュニケーション不足です。上記2つが正しく理解されなければ、嫌がられる可能性があるでしょう。また同じ船に乗っている仲間として尊敬や尊重がなければ、物事がうまくいかない可能性があります。
また、大きな事を成しとげようとするときは、小さな犠牲にはいちいち構っていられないという「大事の前の小事」のような極端な考え方に陥らないことが大事です。
そのような場面が全くないとは言いませんが、基本的には、多くの人が成し遂げたい目標は中長期的な努力が必要なことばかりですし、人生は長いです。
どのようなステークホルダーであれ、他のメンバーから煙たがれることのないように、正しくリーダーシップある行動をし、丁寧にコミュニケーションを図ることが大事だと思います。
※この記事は、2020年9月22日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 9月 18, 2020 | CEO

早いもので本連載もおかげさまで第50回を迎えることができました。読者の皆さんと、毎回ご質問を考えてくださる方々のおかげです。感謝いたします。
本連載は、私と同じようにリーダーシップに興味を持つ、尊敬する友人の西山 和馬さんと話をしてスタートしました。
ある日、どうすればリーダーシップの考え方を広められるかというテーマで、彼と話をしていました。その中で、書籍になるような洗練されたリーダーシップの理論をただ紹介するのではなく、誰もが賞賛する成功者や聖人君子ではない、成長過程の実務家がリーダーシップについて生々しく語ったら面白いのではないかとなり、この連載を書くことにしました。
本来ならば、リーダーシップは、私のような浅学非才の経営者が扱うには大き過ぎるテーマだとご指摘を受けることもあろうかと思います。
しかし、前述のとおり、あえて、場合によっては、不足しているところも前面に出して記述していくことが、多くの人に対して、新しい気づきを与えられるのではないかと考えています。
以前も記載をしましたが、私は、ライフワークとして、リーダーシップの考えを広め、リーダーの育成をしたいと考えています。
当初は、今回のように、前半はゆるい雑談や世間話、後半はQ&Aという構成だったのですが、始まってすぐに、私が言いたいことが多いからか、前半も現時点の私の考えを言いたい放題に記載する構成になっていってしまいました。
このように行き当たりばったりの下手な文章ではありますが、本連載を書いていて、毎回気が付かされることがあります。やはりアウトプットを行うことで、頭が整理されて、その都度、私も新しい気づきや感動を得ることができているのです。
リーダーが多くのフォロワーを率いていると、リーダーがフォロワーに対して与えていることばかりに思うかもしれませんが、同じように、リーダーはフォロワーからも多くのことを得ているのです。
ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)のように、リーダーが旅に出るこの物語は、リーダーの成長物語でもあるのです。
本連載を通じて、嬉しいことに、よく個別に「参考になった」「気が付かされた」などのコメントをいただきますが、私のほうが成長の機会をもらっているように思います。
引き続き、読者の方に、納得度の高い、深い気づきを得ていただけられるような視点で、リーダーシップについて書いてまいります。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.50】
周囲の人々や部下に、正しさや倫理観を身に付けさせるためには、何をするべきでしょうか?
<コメント>
正しさや倫理観において、まずは、その人たちの見本になるべきだと思います。どのような言葉や本を贈るよりも、その人たちのためになるし、説得力があると思います。
逆に、言葉だけならばキレイごとになってしまいます。正しさや倫理観ほど、実践や実行が求められることはないのではないかと思います。
また、前回も記載をしましたが、サラリーマンが忙しい毎日の中で、正しさや倫理観について、個別に時間を設けて話をすることはなかなか難しいと思います。
そのため、一番の近道は、常日頃からこの価値観に触れさせることだと思います。
知らず知らずに、人は、上司であったり、周囲の人であったりの影響を受けているものです。私もメンターから「リーダーはリーダーを育てる」という言葉をもらいました。
ご質問いただいた方が、正しさや倫理観を持って行動し、周囲の人や部下らともコミュニケーションを図れば、周囲の人々や部下は、これらの価値観を大事にするようになると思います。
※この記事は、2020年9月18日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 9月 12, 2020 | CEO

本稿では、人を動かす言葉について記載をしたいと思います。
私は、この15年以上の社会人生活の中で、自分が当事者の場合だけでなくクライアント企業の場合も含めて、業務提携であったり資金調達であったり、相手方に重要な意思決定をしていただくようなプレゼンテーションの場に、数多く立ち会ってきています。
そのときに思うのが、人を動かすプレゼンというのは、必ずしも上手いプレゼンではないのです。
例えば、頭脳明晰な方が、時代背景や顧客ニーズを分かりやすく話して、合理的な帰結として、事業への相手側の協力を求めるような話をしたとしても、一向に話が進まない場合がよくあります。表面的には、よくできたプレゼンではあるのですが、芯を食っていない、上滑りしているようなプレゼンとでも言えばいいでしょうか。
経験則では、そういった合理的・論理的な説明よりも、極端な話、自分を主語にした「やりたい!」という熱量のある言葉や、いかに自分が努力をしてきたかという経験に裏付けされたエピソードのほうが、人を動かせるのです。
中小企業のオヤジが、MBAで学ぶような知識がなくとも、多くの人を動かせるのは、自分の言葉と今までの生き様でしゃべっているからだと思います。
もちろん経営者としては、経営戦略やリサーチなどを軽んじるつもりはありません(私はそれらをしっかり行うことも情熱だと思っています。)が、人を動かすうえで、いかに主体性が大事かを物語っていると思います。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.49】
自分が持つ正しさや倫理観から、実際の意思決定や行動が外れてしまい、葛藤した経験はありますか?
また、正しさや倫理観を自分の中で確立するまでに、どのくらい時間がかかりましたか?
<コメント>
自分が正しくないと思うことをしてしまうのは、苦しいことだと思います。おかしなことをしたわけですから、因果応報で、苦しみがあるわけです。ドストエフスキーの「罪と罰」の世界です。
私も、若かりし頃は、例えば、若く自分の価値基準が明確になっていなかったり、周囲の人間関係・組織の同調圧力に負けたりして、自分の持つ正しさや倫理観から外れたことをしてしまったことが少なからずあります。
その結果、大いに後悔し、反省をしましたので、今は自分の正しさや倫理観、良心に遵って行動をしています。
若い頃から、薄々、おかしなことをすれば後悔するだろうと理解はしていました。しかし、ほんの少しだけ、自分に強さがなかったり、少しぐらいの悪いことならば許容できるだろうという甘い見通しがあったりと、今となっては要らない回り道をしたようにも思います。
正しさや倫理観を自分の中で確立するまでは、私の場合は、社会人になってから10年ぐらいは時間を要したのではないでしょうか。
特に、私の場合は企業再生に従事するなどしていましたので、人として間違った意思決定はしてはならないと思わされることも多く、世間と比して、短期間で人格が磨かれたほうではないかと思います。
小さい身近な例を挙げると、例えば不要なシーンで他人の悪口を言ってしまうなど、正しさや倫理観に関する論点は、人と関わりを持って生きていく以上、必ず付きまとっていると思います。しかし、日常の忙しさにかまけることなく、しっかりと意識さえすることができれば、倫理観は磨くことができると思います。
私の拙い経験では、経営者の世界では、この正しさや倫理観に話が及ぶ場合が案外あるように思いますが、サラリーマンの世界では、当たり前過ぎて、他の方と議論することはあまりないかもしれません。その場合は、自分で日ごろから注意して、自己研鑽するしかないと思います。
※この記事は、2020年9月12日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 9月 5, 2020 | CEO

本連載をしていると、嬉しいことに、読者の方から、ちょくちょく私のところにご連絡をいただきます。
毎日、新しいWEBページやブログが膨大に作成されるわけですが、その一つである本稿が、誰かに影響を与えているかと思うと背筋が伸びる思いです。
リーダーシップを語るときに考えなければならないことは、小さな話であっても、主体性を持って行動をしていれば、少なからず誰かに影響を及ぼしているということです。
多くの人は、トップ・リーダーを見て、自分と比較して、リーダーは自分と違って凄い人、時代に愛された人のように考えてしまいます。
しかし、実際は、同じ人間が行うことですから、そこまで大きな違いはないのです。
今では大臣になった方も、ビールケースをお立ち台にして、毎朝、通勤するサラリーマンに向かって演説をしていたわけですし、今では有名な東証一部の経営者の方も、創業間もない時は、細々と、相互リンクのお願いをメールしていたわけです。
まずは小さなところからリーダーシップを発揮して、始めてみることが大事です。
皆さんが自分とは違うと考えているトップ・リーダーも、最初の一歩は小さいものであったに違いありません。
そして、その小さな一歩・小さな勇気を誰かが見ていて、大きなうねりとなっていくのだと思います。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.48】
いかにして自らの内に、正しさや倫理観を育成すればいいですか?
<コメント>
日常に忙しくしていると、なかなか正しさや倫理観の研ぎ澄まし方は考えられないかもしれません。
正しさや倫理観は、まずは自分で日ごろから意識して追求する必要があると思います。
より正しいあり方は何なのか、より正しく行動できないか、より周囲の人々に優しくできないかなどは、自分を律していなければ、そう考えられることではありません。
何ごとも、小さなことから手掛けることが大事です。落ちているゴミを拾う、困っている人がいたら助けてあげるなど、人として当たり前のことを行うと気持ちが良いものです。
歴史上の偉人・聖人の話を読むのも役立つと思いますし、誰かの成功譚などに触れると、正しく・倫理的でなければならないと思わされます。
正しくない行動が、フォロワーや周囲の人々に対して、恥ずかしいと思えるかどうかも大事なポイントだと思います。
私が上場会社の代表取締役社長をしていたときは、常に自分の行動・会社の意思決定が、フォロワーであるスタッフたちのご家族やお子さんたちに対しても、誇れることかどうかを意識していました。
最後に、良い仲間・良い友人を持つことも大事なことだと思います。彼らはあなたが道を誤ることがあれば、しっかりと指摘し、あなたを元の正しい道に戻してくれるのではないかと思います。
私は、正しさや倫理観は、ほんの少しだけ頑張って、意識さえすれば、誰しもが獲得できるものだと信じています。
※この記事は、2020年9月5日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。