執筆者 小松 裕介 | 9月 5, 2020 | CEO

本連載をしていると、嬉しいことに、読者の方から、ちょくちょく私のところにご連絡をいただきます。
毎日、新しいWEBページやブログが膨大に作成されるわけですが、その一つである本稿が、誰かに影響を与えているかと思うと背筋が伸びる思いです。
リーダーシップを語るときに考えなければならないことは、小さな話であっても、主体性を持って行動をしていれば、少なからず誰かに影響を及ぼしているということです。
多くの人は、トップ・リーダーを見て、自分と比較して、リーダーは自分と違って凄い人、時代に愛された人のように考えてしまいます。
しかし、実際は、同じ人間が行うことですから、そこまで大きな違いはないのです。
今では大臣になった方も、ビールケースをお立ち台にして、毎朝、通勤するサラリーマンに向かって演説をしていたわけですし、今では有名な東証一部の経営者の方も、創業間もない時は、細々と、相互リンクのお願いをメールしていたわけです。
まずは小さなところからリーダーシップを発揮して、始めてみることが大事です。
皆さんが自分とは違うと考えているトップ・リーダーも、最初の一歩は小さいものであったに違いありません。
そして、その小さな一歩・小さな勇気を誰かが見ていて、大きなうねりとなっていくのだと思います。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.48】
いかにして自らの内に、正しさや倫理観を育成すればいいですか?
<コメント>
日常に忙しくしていると、なかなか正しさや倫理観の研ぎ澄まし方は考えられないかもしれません。
正しさや倫理観は、まずは自分で日ごろから意識して追求する必要があると思います。
より正しいあり方は何なのか、より正しく行動できないか、より周囲の人々に優しくできないかなどは、自分を律していなければ、そう考えられることではありません。
何ごとも、小さなことから手掛けることが大事です。落ちているゴミを拾う、困っている人がいたら助けてあげるなど、人として当たり前のことを行うと気持ちが良いものです。
歴史上の偉人・聖人の話を読むのも役立つと思いますし、誰かの成功譚などに触れると、正しく・倫理的でなければならないと思わされます。
正しくない行動が、フォロワーや周囲の人々に対して、恥ずかしいと思えるかどうかも大事なポイントだと思います。
私が上場会社の代表取締役社長をしていたときは、常に自分の行動・会社の意思決定が、フォロワーであるスタッフたちのご家族やお子さんたちに対しても、誇れることかどうかを意識していました。
最後に、良い仲間・良い友人を持つことも大事なことだと思います。彼らはあなたが道を誤ることがあれば、しっかりと指摘し、あなたを元の正しい道に戻してくれるのではないかと思います。
私は、正しさや倫理観は、ほんの少しだけ頑張って、意識さえすれば、誰しもが獲得できるものだと信じています。
※この記事は、2020年9月5日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 8月 29, 2020 | CEO

前回に引き続き、リーダーとして向き合わざるを得ない、正しさや倫理観について共に考えたいと思います。早いもので、このテーマで10回連続の記載になりますので、今回まとめを記載して、次回から別のテーマに移りたいと思います。
たびたび本連載でも記載してきていますが、私の人間観は、伊丹敬之教授が指摘する「人は性善なれど弱し」です。
私は、リーダーとは、多少なりとも「性善でいて強い」存在にならなければ、弱いフォロワーの人たちを率いることができないと考えています。
その時にポイントになるのは「性善」とは何かです。「性善」の捉え方は人それぞれですし、幅がありますから、リーダーとしては、いつ何時もブレなく、世の中・一般の方の認識とズレなく、正しく・倫理的にいられるか。そこがポイントになると思います。
常識的な感覚としても、リーダーには正しさや倫理観が求められますし、リーダーとしては、正しさや倫理観は常に向き合わざるを得ないテーマなのです。
さらに、リーダーが、中長期的に継続して、正しく、倫理的であることは、信頼感の醸成やブランド価値の向上に繋がることでもあります。
そもそも「性善でいて強い」存在のリーダー自体が尊敬に値するわけですが、それが中長期に渡って、正しさや倫理観を保持していることは希少価値があります。
ビジネスの観点でも、リーダーの持つ正しさや倫理観から導かれるブランド力があれば、人材採用の観点や取引条件など様々な観点で有利に働くことになります。
伊藤忠の「三方よし」、住友商事の「浮利を追わず」といったような考え方は、正しさや倫理観を中長期的な観点から表現したものだと思います。
四半期決算に追われて日常を忙しくしていると忘れがちかもしれませんが、正しさや倫理観は、中長期的な観点からも、一度は立ち止まって深く考える価値があると思います。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.47】
優れたリーダーになるために、正しさや倫理観を大事にしたいと考えていますが、どうすれば上を目指せますか?
<コメント>
正しさや倫理観は、「やり方」ではなく「あり方」です。
そのため、常日頃から、人として正しくあろうとし、より良い倫理観を身に着けるよう努力するしか、上を目指すことはできないと思います。
強いて、「やり方」のような言い方をするとしたら、思考の際や意思決定の際に、正しさや倫理観という尺度で一度チェックをかけてみるといいのではないかと思います。
私は若かりし頃に、メンターの方から、一つ一つの行動が、常に人として正しい行いかどうかを問われていたように思います。
どうしても日常業務に近くなると、目先のお金の話や「やり方」の話をしてしまいがちです。
まずは、リーダーは、その考え方や行動が正しいかどうか、倫理的にも優れているかどうかを確認しなければなりません。
そのうえで、もしフォロワーが間違えていることがあるようならば、たとえ、短期的に、お金になるなどメリットがあろうとも、優先順位を明確にして、正しさを優先させなければなりません。
※この記事は、2020年8月29日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 8月 27, 2020 | メッセージ
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株式会社スーツでは、当社に所属する「プロ経営者」が、企業価値評価が時価総額100億円以下となる中小企業やベンチャー企業に対して経営支援を行う経営支援事業を展開しています。
「プロ経営者」 × 中小企業・ベンチャー企業
当社の「プロ経営者」が、最先端の法律、会計及びマーケティングなど経営ノウハウを駆使し、企業価値向上の最大化を行います。「プロ経営者」とは、会社経営に関する知識があることはもちろん、“修羅場の経験”があり、人間力に優れ、リーダーシップを発揮し、ステークホルダー全てに影響力を与え、企業価値向上を果たすことができる人物のことをいいます。
※ 上記段落の下線箇所は、本稿のために追記。
本稿では、当社が考える、中小企業・ベンチャー企業の企業価値向上を果たすことができる「プロ経営者」像について記載をしたいと思います。
大企業ではなく、中小企業やベンチャー企業における「プロ経営者」とは
もしオーケストラの指揮者に例えるならば、「楽団員集め」からスタート!?
大企業と中小企業・ベンチャー企業を経営していく際の一番の違いは、ヒト・モノ・カネなどの経営資源が社内にあるかどうかです。
本稿のカバー写真にはオーケストラの写真を選びましたが、もし中小企業・ベンチャー企業の経営者をオーケストラの指揮者に例えるならば、その指揮者は、いきなりコンサート・ホールで演奏はできないでしょう。まずは楽団員を集めるところからがスタートになります。もしかすると指揮者にも関わらず、オーケストラの演奏ができるコンサート・ホールを探したり、楽団の活動資金を集めたりしなければならないかもしれません。
もし私が大企業の経営者ならば、手堅く、まずは社内にある経営資源の効率化から入るでしょう。経費削減、オペレーションの改善やシステム導入など経営合理化は、どのような企業であれ、ある程度の再現性が望めます。そのため、多くの企業の場合、経営合理化を通じて、営業利益を創出することができます。
それに対して、中小企業・ベンチャー企業の経営者は、そもそも社内に経営資源がないわけですから、経営合理化による営業利益の創出は望めません。中小企業・ベンチャー企業の経営者は、外部より経営資源の獲得をして来なければ始まらないのです。
ベンチャー・エコシステムにおいて、ベンチャー企業が、ベンチャーキャピタルなどから資金調達をした場合、ステークホルダーの方々から「資金調達おめでとう!」と言われるにはこのような訳があります。この調達資金によって、やっと経営陣が多くの時間を費やし議論を重ねた経営戦略が実行できるようになり、事業のスタートラインに立てるようになるのです。
中小企業・ベンチャー企業の経営者は、外部から獲得してきた貴重な経営資源を用いて、売上を上げていき、組織を作っていくことが求められています。
中小企業・ベンチャー企業では、マネジメント・スキルよりも、リーダーシップ・スキルが重要
私たちは、マネジメント・スキルを経営管理など「人を管理するスキル」、リーダーシップ・スキルを主体性・夢や共感など「人を導くスキル」と定義し、大別して説明しています。
マネジメント・スキルは、分かりやすくいうと、経営学修士(MBA)で教えるようなマーケティング、オペレーション、サプライチェーン・マネジメント、アカウンティングやファイナンスなどの経営管理、つまり「人を管理するスキル」のことです。
これに対して、リーダーシップ・スキルは、「やり方」ではなく「あり方」について、リーダーのあるべき行動様式など「人を導くスキル」のことです。
なお、スキルと表現をした理由は、スキルである以上、学びさえすれば、たとえ先天的な能力のように思われることの多いリーダーシップであったとしても、再現性のある科学的なアプローチで、誰でも後天的に身に着けることができると考えているからです。
前述のとおり、中小企業・ベンチャー企業の経営者は、外部からの経営資源の調達が求められます。
その際に、必要になるスキルは、「人を管理するスキル」であるマネジメント・スキルよりも、夢や共感の力で、より多くの人を巻き込むことができる「人を導くスキル」であるリーダーシップ・スキルなのです。
<マネージャーとリーダーの違い>
マネージャーは管理し、リーダーは変革する。
マネージャーは現状を受け入れ、リーダーは現状に挑戦する。
マネージャーは管理して人を動かし、リーダーは心に働きかけて人を動かす。
マネージャーは数字を追いかけ、リーダーは未来を目指す。
マネージャーは目先のことを考え、リーダーは長期的な視野を持つ。
マネージャーは組織を優先し、リーダーは人間を優先させる。
マネージャーは複雑さに対処し、リーダーは方向を示す。
マネージャーは正しく手続きを処理し、リーダーは正しいことをする。
経営全般において合格点を取って、初めてアウトプットが効率化される。
中小企業・ベンチャー企業の経営者は、大企業の経営者と比べリーダーシップ・スキルが求められるからと言って、マネジメント・スキルが不足していいということではありません。
上の図をご覧ください。企業の経営戦略(ビジネスモデル)、マーケティング・営業、オペレーション(カスタマーサクセス)、テクノロジー及び管理部門の5項目を、100点満点で、五角形のレーダーチャートにしました。
経営効率を考えると、このうち一つの項目でも落第点があると、それがボトルネックになってしまって、企業活動のパフォーマンスは著しく低下します。
例えば、経営戦略が優れていて、マーケティングも機能し、しっかりと集客できていたとしても、オペレーションがメタメタではお客様は離れていってしまいます。また、ビジネス面が優れていたとしても、管理部門が弱ければ、適時適切なファイナンスをすることができず、ビジネス面をさらに伸ばすチャンスを逸してしまうかもしれません。
経営者には、幅広い経営の知識が求められます。
特に中小企業・ベンチャー企業の経営者ならば、マネジメントチーム内に、COO、CFO、CMOやCTOなど、いわゆる「CXO」が全員が揃っていないことが多く、幅広い職責が求められます。事業も管理も両方とも社長が行っている「中小企業のオヤジ」は沢山存在するのです。
その場合、特定の経営課題について全く知識がないでは、経営効率が著しく落ちてしまいます。
私たちは、中小企業・ベンチャー企業の「プロ経営者」ならば、少なくとも経営全般において合格点を取るだけの知識と能力がなければならないと考えています。
中小企業・ベンチャー企業の「プロ経営者」。それは実務能力が高く、強いリーダーシップを持った人材。
私たちは、中小企業・ベンチャー企業の「プロ経営者」とは、経営全般において実務能力が高く、なおかつ、多くの人を夢や共感の力で巻き込むことができる強りリーダーシップを持った人材だと考えています。
大企業ではなく、中小企業やベンチャー企業における「プロ経営者」の醍醐味は、それこそ一人の力で、飛躍的に企業価値を高めることができることだと思います。
中小企業やベンチャー企業には、社内政治で争う価値のある経営資源も社会的な名誉もありませんから、社内政治をやる人もいません。そういった社内のゴタゴタや手続きがない代わりに、真摯にお客様と向き合うこと、経営と向き合うことができます。
「プロ経営者」というと大企業の海外の著名MBAを取得したハイキャリアなグローバル経営者を思い浮かべるかもしれませんが、中小企業やベンチャー企業にも「プロ経営者」が求められています。
発展途上にある中小企業・ベンチャー企業において、夢を広げて、まだ見ぬお客様、取引先や投資家などを巻き込みながら、仲間集めをしていく。非常にやりがいのある仕事だと思います。
当社では、聴衆が感動する素晴らしい演奏だけでなく、楽団員集め、コンサート・ホール探しや運営費集めなども積極的に取り組める、リーダーシップあふれるオーケストラの指揮者を探しています。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 8月 27, 2020 | メッセージ
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株式会社スーツでは、社会に対して提供する付加価値として、「プロ経営者」の育成を目指しています。
「プロ経営者」の育成
【当社が社会に対して提供する付加価値】
1.「プロ経営者」の育成
当社では、クライアント企業様の経営人材や当社に所属するスタッフを「プロ経営者」に育成することを通じて、社会に対して貢献してまいります。
2.中小企業等マーケットの改善
未曾有の労働人口減を迎える日本経済を支えるためには、当社がターゲットとする中小企業のマーケット全体の改善が必要です。
当該市場において、当社が育成する「プロ経営者」が主導して、売上・利益額平均の向上、従業員数の向上、スキルアップによる従業員平均給与額の向上、システム投資等設備投資額の向上(一人あたり資本の向上)やM&A(経営統合)による規模の拡大など「生産性の向上」を実現します。
※ 上記段落の下線箇所は、本稿のために追記。
本稿では、なぜ当社が「プロ経営者」の育成をしたいのか、そして、プロフェッショナルに対してどのように接しているのかについて記載をしたいと思います。
なお、当社では、「プロ経営者」を以下のとおり定義しています。
「プロ経営者」とは、会社経営に関する知識があることはもちろん、“修羅場の経験”があり、人間力に優れ、リーダーシップを発揮し、ステークホルダー全てに影響力を与え、企業価値向上を果たすことができる人物のことをいいます。
当社は「プロ経営者」を育て、その「プロ経営者」が求めるようなエキサイティングな仕事を用意し続ける。
中小企業マーケットを改善するために「プロ経営者」を育てたい!
上記の3つの円グラフは、2019年版「中小企業白書」中小企業庁のデータになります。当社が問題意識を持っているのは、真ん中と右側の円グラフです。
私たちは、日本の就労人口の約70%が中小企業の従業員であるにもかかわらず、中小企業が付加価値額全体の約53%しか付加価値を創出できていないことに問題意識を持っています。
従業員1人あたりの付加価値額で見れば、大企業は約120.5兆円 ÷ 約1,459万人=約826万円に対し、中小企業は(約99.4兆円+約35.7兆円) ÷ (約2,176万人+約1,044万人)=約420万円となり、大企業の約51%しかなく、中小企業は大企業の約半分の生産性しかありません。
このことからも分かるとおり、日本の中小企業の生産性は、明らかに低いと言わざるを得ません。
皆さんもご存じのとおり、GDP(国内総生産)拡大には、労働人口の増加か、一人あたり労働生産性の向上が必要です。GDPは「GDP=労働人口 × 一人あたり労働生産性」という数式で表現されます。
日本は労働人口の減少が見込まれています。そのため、どのように、もう一つのキー・ドライバーである一人あたり労働生産性の向上を図っていくかを考えるしか選択肢がありません。
中小企業の労働生産性の向上を図るためには、具体的にはIT投資や設備投資、事業者同士のM&Aによる規模の拡大などが考えられますが、私たちが着目したのは経営者です。
各企業において、これらの経営の論点を発見し実行するのは経営者です。しっかりとした経営者がいなければ、これらの経営課題は解決されません。
当社では、中小企業の労働生産性の向上は、「プロ経営者」が実現すべきだと考えています。
しかし、大企業と違って、中小企業はとても数が多いので、今のままでは中小企業の経営に当たる「プロ経営者」が不足してしまいます。
私たちは、この問題を解決するためには、シンプルに「プロ経営者」の人数を増やせばいいのではないか、一人でも多くの「プロ経営者」を育てればいいのではないかと考えています。
プロフェッショナルを縛ることはできない
当社では、クライアント企業様の経営人材や当社に所属するスタッフを「プロ経営者」に育成することを目指しています。
当社に所属するスタッフには、最初はアソシエイトとして、リーダーシップ及び経営全般のスキルを身に着けてもらいます。次にコンサルタントとして、クライアント企業様数社の主担当として、バリューアップに従事してもらいます。
その後は、クライアント企業様や当社投資先の会社経営、もしくは、自身がCXOとなって起業するようなキャリアを積んでもらうことを考えています。「プロ経営者」としてキャリアをスタートするためには、まず経営者としての実績(トラックレコード)を手に入れなければなりません。
私は、プロフェッショナルと周囲の人から評価される経営スキルと、「プロ経営者」としてのトラックレコードを手に入れた段階で、その人は、会社への所属や経済的な観点からも、「自由」を手に入れたと評価できると考えています。
個人の名前で仕事が来るようになり、その仕事において、クライアント企業様の期待どおりの実績を出すことができる。
こうなったら、会社としては、このプロフェッショナルを縛り付けておくことはできないのです。
会社とプロフェッショナル人材との関係は、完全に対等です。
当社が提供できること
当社が、このようなプロフェッショナルたちに提供できることは、やりがいのある仕事、やりがいのある“修羅場”、そして、やりがいのある社会性だけです。
これが当社が提供できる全てです。
プロフェッショナルが一番心躍ること。それは、誰も解いたことのない問題に出会った時、みんなからこれを解いたら凄いと言われるような問題に出会った時、世のため人のためになるような仕事に出会った時です。
「プロ経営者」と評価されるようになった先に、「プロ経営者」が求めるもの。
それは面白い経営の仕事なのです。
ソニーの創業者である井深 大が「仕事の報酬は仕事」と言ったように、本当のプロフェッショナルは、24時間365日その仕事と向き合っていたい、仕事に没頭したいという人間であって、お金が欲しい・誰かから認めて欲しいなどというちっぽけなモチベーションではないのです。
「プロ経営者」になったら自由に生きればいい。但し、スーツには常に最高に面白い仕事がある。
もし当社に所属を希望される方がいたら、私が責任を持って「プロ経営者」に育て上げたいと思います。
そして、「プロ経営者」になった暁には、ぜひとも腕一本で、プロフェッショナルとして、経営の世界で勝負していって欲しいと思います。
その時に、当社に籍を置いて欲しいというような小さいことを言うつもりはありません。世のため人のために、大いに「プロ経営者」として活躍してもらえれば、当社としては育てた甲斐があるというものです。
しかし、一つだけ宣言をしておきます。
株式会社スーツは、少なくとも小松が代表取締役を務めているうちは、常に最高に面白い仕事を用意します。
プロフェッショナルだからこそ心おどるようなエキサイティングな仕事を用意します。
「プロ経営者」となった後も、心から面白い仕事を求めている人は、ぜひとも長く一緒に働きましょう!
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 8月 27, 2020 | メッセージ
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株式会社スーツでは、事業領域・事業ドメインを「会社経営」と定義しています。
事業ドメイン「会社経営」
当社代表者の小松の創業メッセージ
私は、上場会社の代表取締役社長として取り組んだ経営改善や様々な業界・会社での企業再生を通じて、「マネジメント」ではなく「リーダーシップ」、「やり方」ではなく「あり方」そして「モノ」・「カネ」ではなく「ヒト」・・・というように、会社経営において、本当に大事なことが何かを学ぶことができました。企業の再生とは人の再生ですし、企業の成長とは人の成長です。人を導いていく。これが会社経営です。会社経営を事業領域とし、人と向き合い、人を導く会社が、この株式会社スーツです。・・・
※ 上記段落の下線箇所は、本稿のために追記。
本稿では、当社の事業ドメイン「会社経営」の説明を通じて、当社の行動指針について記載をしたいと思います。
当社の主力事業は、企業価値評価が時価総額100億円以下となる中小企業やベンチャー企業に対する経営支援事業です。しかし、当社の志は、個々の企業の経営支援に留まるものではありません。当社の経営理念にあるように「新しい未来を創造し、社会変革に貢献していく」ために、最先端の経営ノウハウを活かして、業界全体に社会的インパクトを与えるような自社事業も展開しております。
一度きりの人生だから、自分たちが面白いことをやろう!
医者の不養生?何をやっているのか分からない!?
まず当社グループが展開している事業をご紹介します。なお、現在の当社の常勤スタッフは5名です(2020年8月時点)。
株式会社スーツでは、主力事業として経営支援事業、その他にも投資銀行事業、企業研修事業、投資事業及び公民連携事業を展開しています。中でも投資銀行事業では敵対的買収防衛、公民連携事業ではまちづくりをしています。
株式会社スーツの完全子会社である株式会社スーツ・ウェルス・マネジメントでは、金融工学を用いたエクイティ・ソリューション・サービスなどウェルス・マネジメント事業を展開しています。
外部の事業パートナーと展開している会社が3つあります。上場企業の共同ピーアール株式会社との合弁で日本初の宇宙空間広告事業を展開する株式会社スペース・バジル、「竹害」から日本の里山を守るソーシャルビジネスで竹炭インテリア事業を展開する株式会社TAKESUMI、そして、政治評論家の渡瀬裕哉氏と事業展開するパシフィック・アライアンス総研株式会社の3つです。
そして、社会活動をしている一般社団法人が2つあります。若者のキャリア教育や高校就職改革を目指す一般社団法人スクール・トゥ・ワークと、デジタルテクノロジーを通じた学術、文化、芸術又はスポーツの振興を行う一般社団法人日本デジタル芸術スポーツ文化創造機構です。特に、後者を通じては、複数の国家的イベントにかかるプロジェクトにも関与しています。
このように縷々、当社グループが展開する事業を記載させていただきましたが、何をやっている会社と説明すべきか、分からない方も多いかもしれません。
もし私が、このような複数事業を展開するクライアント企業様から相談を受けたならば、真っ先に「経営資源には限りがありますから『選択と集中』をしましょう!」と助言をすると思います。
これは「医者の不養生」と形容すべき状況なのでしょうか。
事業ドメインは「会社経営」
事業ドメインとは会社が定めた自社の競争する領域・フィールドのことです。
事業ドメインは会社の方向性を示す上で非常に重要な意味を持ち、企業は、事業ドメインの設定により、組織全体として戦う領域を設定し、経営資源をフォーカスさせ、組織活動の指針とするのです。
当社の場合は、事業ドメインを「会社経営」としています。
先ほどご紹介した当社グループが展開している事業らは、当社の持つコア・コンピタンス(企業の中核となる強みのこと)、ケイパビリティ(企業が全体として持つ組織的な能力、または、その企業が得意とする組織的な能力)、そして、ブランドが全て活かされて運営されています。
当社の持つコア・コンピタンス、ケイパビリティ、ブランドとは具体的に何でしょうか?
それは当社が抱えている人材です。当社の競争の源泉は、当社で働く「プロ経営者」たちです。
当社では、「プロ経営者」とは、会社経営に関する知識があることはもちろん、“修羅場の経験”があり、人間力に優れ、リーダーシップを発揮し、ステークホルダー全てに影響力を与え、企業価値向上を果たすことができる人物と定義をしています。
当社の行動指針
前述のとおり、本来、事業ドメインとは、組織活動の指針とし、限りある経営資源を効率的に使うために、組織全体として戦う領域を設定するわけです。
もちろん、私たちも経営のプロフェッショナルを自認しておりますので、このことをよく理解した上で、あえて、当社は事業ドメインを「会社経営」と広くすることを選択しています。
私たちは、限られた経営資源にも関わらず、この広い事業ドメイン「会社経営」で、世の中に認知される会社になろうという気概を持って、この領域で戦うことを決めたのです。
そのかわり、私たちは具体的な行動については、会社が定める行動指針を大事にしています。
<株式会社スーツ 行動指針>
1.常に最高を目指すこと
2.常に創造的であること
3.常に革新的であること
4.常に社会性を求めること
5.常に献身的であること
この行動指針に遵って、会社経営を事業領域とし、人と向き合い、人を導く会社が、この株式会社スーツなのです。
最高なこと、創造的なこと、革新的なこと、社会的なこと。全ては自分たちがやりたいこと。
前回のストーリーでご紹介したとおり、当社の行動指針の根底にある価値観は「一度きりの人生」です。
最高を目指したい、創造的なことをしたい、革新的なことをしたい、社会性のあることをしたい、それこそ損得を度外視して、どっぷりと目の前のお客様や仕事に献身的に向き合いたい・・・これらは専門性の高いプロフェッショナルとして、誰しもが目指したいことばかりだと思います。
プロフェッショナルとして面白いこと。それは最高なこと、創造的なこと、革新的なこと、社会的なことだと当社は考えています。
プロフェッショナルという生き方が最高なのは、努力の結果は、トラックレコード(過去の実績)と呼ばれるものとなり、今後も自分の人生でいつまでも輝き続けることです。
私たちはプロですから、クライアント企業様の求める結果を出すことは、当たり前のことです。
その上で、私たちは、「プロ経営者」として、クライアント企業様の想像や期待をはるかに上回る結果を出すために、自分たちがプロとして追い求めたいこと、自分たちがやりたいことをやるのです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。