【エンジニアインタビュー】実際の働き方について聞いてきました

 

ーー本日は業務委託で当社の開発に参加してくださっている菅原 敬さんに来ていただきました。菅原さんご本人のお話や、実際の就業環境、働いてみての感想などを伺っていけたらと思っております!

菅原:
本日はよろしくお願いします。

ーーよろしくお願いします。早速ですが、菅原さんがエンジニアになられた経緯を教えていただけますか?

菅原:
エンジニアリングに触れたきっかけは、大学時代に、情報系の学部でプログラミングを学んでいたことです。せっかくなのでこの知識を生かそうと思い、システムエンジニアとして就職しました。

会社で働いていた時は主にPHPを用いてWEBサイトを作成していました。

ーーありがとうございます。今は独立されてフリーランスとして活動されていらっしゃいますが、今の道にはどのような経緯で進まれたのでしょうか?

菅原:
会社には4年ぐらいいて、そこからフリーランスになりました。

2010年代ですが、私の周りでも徐々にフリーランスとして働き始めるエンジニアが増えてきていました。しかしながら、フリーランスになった後に、その働き方が合わないと感じて、その後会社に戻る人も多かったんです。

そのため、その後の道を納得感をもって選択するためにも、フリーランスとしての経験を早めに積みたいと思い、会社をやめてフリーランスになろうと決めた、というのが経緯になります。

 

 

ーーフリーランスとして働き始めて、それまでとどのようなところが変わりましたか?

菅原:
昔は会社がやってくれていた税金関係などは自分でやらなければならなくなり、仕事の幅が広がりましたが笑、その分働くタイミングや仕事を選ぶことができるなど、自由に働ける点は気に入っています。

ーー昨年はChatGPTが大きな話題になりましたが、エンジニアの働き方や、特にフリーランスの皆様の働き方にはどのような影響があったのでしょうか?

菅原:
ChatGPTの影響は非常に大きく、開発環境にいる人々も、1ヶ月20ドル支払って利用している人が多いと思います。適切な質問をすれば具体的なプログラム例を直接教えてくれるというのは革新的で、特に一定以上のプログラミング能力がある人の生産性は大きく上がったと考えています。

例えば、あるプログラミング言語で「A」ということができる場合、同じような目的で作られた他の言語でも同様のことができる可能性が高いです。この時、その他の言語のことを詳しく知らなくても、別の言語についての理解があれば適切な質問をすることができ、そうすると求めていた回答をかなりの精度で得ることができます。これにより、エンジニアの学習効率と作業効率は大幅に上がっていると思います。

一点気をつけるところがあるとすれば、ChatGPTのような道具の利用は、「ある程度の知識のあるエンジニア」にとって大きな効用があるということです。繰り返しになりますが、質問が適切ではなかった場合や返ってきた回答の意味を上手く汲み取れなかったようなケースでは価値はそこまで高くならないかなと思います。

 

 

ーーありがとうございます。生成AIの時代にもやはり知識は重要ということを理解しましたが、エンジニアの方は主にどのような方法で新しい知識を習得していらっしゃるのでしょうか?

菅原:
自分は基礎的な部分は大学で学習した知識が生きています。運用については最初に入った会社で学びました。フリーランスになってからはUdemyで提供されるような講座を活用したり、先ほど話に出ました生成AIを活用したりして学習しています。

ーーSuit UPの開発にはどのような経緯で参加されたのでしょうか?

菅原:
かつてCTOの上原さんとライブコマースの別プロジェクトを一緒に行っていた時期がありました。その後しばらくはお会いしていなかったのですが、別の案件が落ち着いた際に、上原さんからお誘いをいただいたのが「Suit UP」と出会ったきっかけです。

ーー上原さんとお仕事されるのが魅力的だったということでしょうか?

菅原:
そうですね。上原さんは良くないところをはっきりと「良くない」と言ってくれるところが自分にとっては有難いところです。そこが曖昧になってしまうとプロダクトも良いものにならず、作業の手戻りも多く発生してロスが大きくなると思っています。

 

 

ーー「Suit UP」に関する開発が他の案件と違うところを教えてください。

菅原:
自分はこれまで、toC向けの案件に関与することが多かったので、toBのサービス開発に関わっていることは比較的珍しいです。toB向けの特徴として、セキュリティのハードルがより高い、といったことを感じています。

ーー現在の大まかな稼働状況や、職場の特徴を教えてください。

菅原:
最初は週2での参加でしたが、現在は週3で参加しています。他社の開発状況によっても手を空けられる・空けられないは変わりますので、稼働するタイミングや業務量を相談させていただけるのは有難いです。

また、働き始めてから1年以上経ちますが、この長さで関与するのは珍しいケースだと思います。多くのパターンは3ヶ月〜半年くらいで関与してきましたので、コアメンバーとしてプロダクトの開発に関われてきているやりがいや達成感を感じています。

ーーSuit UPの開発をする上で特にプラスに感じていらっしゃるところがあれば教えてください。

菅原:
Suit UPはフレームワークとしてReactを利用していますが、現代の開発においてReactは最もポピュラーなフレームワークの一つです。このためSuit UPの開発をしっかり行えることができれば、他の多くの現場でも求められている知識を身につけることができます。これはエンジニアにとって大きな魅力となっていると思います。

ーー他に職場環境で気に入っているところがあれば教えてください。

菅原:
作業は基本的にリモートで行っていまして、実際エンジニアの多くの方がリモートを選好する傾向にはあると思いますが、一方でSuit UPの現場メンバーは仲が良く、飲み会などにも気楽に参加することができるところはいいと思います。やはり対面でのコミュニケーションでお互いの理解を深めておいた方が、ディスコミュニケーションを抑制できるなど、業務の面でプラスとなるところが大きいと思います。

また飲み会に関しては、エンジニアチーム内だけではなく、ビジネスサイドのメンバーとも時折行っていますので、ビジネス側でどのようなことがテーマになっているのかといったポイントを生の声で聞けるということもプロダクトの精度を高める上で大きなメリットになっていると思います。

 

 

ーーありがとうございます。話題を少し変えまして、菅原さんが今後どのようなエンジニアになっていきたいのかというお考えを伺えたらと思います。

菅原:
フリーランスは常に仕事が保証されている訳ではありませんので、人に求められ続けられる、人に価値貢献できる存在になっていきたいと考えています。

そのためには学習や実務によって知識や経験を深めることはもちろん、それに加えて、他者を良く知ろうとする意識や姿勢を持ち続けることが大事だと考えています。

ーーAIが人間の仕事を奪うのではないかという危惧の声を良く聞くようになりましたが、菅原さんが考える、AIと比べた時の人間にとっての強みとはどのようなものになりますでしょうか?

菅原:
「こういうのが欲しい」「こういったものが好き」といった欲望は、人間の方が強いのではないかと考えています。AIは指示を与えられたことをこなすことには非常に強いですが、そもそもの原動力となりうる「欲望」の部分についてはまだ人間の方が強いのではないでしょうか。

このため、他者や世間が求めているニーズを深く理解しようとすることが、人間としての強みを発揮するための第一歩だと考えています。

 

 

ーーありがとうございます。最後に、普段は見られない菅原さんの一面について教えてください。

菅原:
難しい質問ですね笑。

大学の時、元々車が好きだったこともあって、車の技術的なことを学んだりするサークルに入っていました。ソフトの面だけではなく、ハードの方のエンジニアリングも好きなんです。実際にCADを使って図面を作って、といったこともしていまして、家の台所で使っている小さな机は、工場に図面を持ち込み依頼して作ってもらったオリジナルのものです笑

ーーそれは知らない一面でした笑

菅原:
ですよね笑。

ソフトの面だけではなく、ハード面の知識を得られたことは、実生活の充実に結構貢献してくれていると思っています。

ーー本日はありがとうございました。

 

 

株式会社スーツでは一緒に働く仲間を募集しています

リーダーシップ往復書簡 100

 

おかげさまで、今回で本連載も最終回になります。好き勝手にゆるく記載をしてまいりましたが、長きにわたりお付き合いいただき誠にありがとうございました。また、連載中、読者の皆さん、友人や知人など多くの方から、毎度のようにFacebookメッセンジャーなどでご質問もいただきました。改めて感謝申し上げます。

第50回の時にもご紹介をさせていただきましたが、本連載は、私と同じくリーダーシップに興味を持つ、尊敬する友人の西山 和馬さんと話をしてスタートしました。

本連載では、実務家がリーダーシップを語るということをテーマにしているので、記載内容もリーダーシップに関することだけでなく、組織行動もあり現場の話もあり(世間話や私の仕事の宣伝もあり?)、多岐にわたり記載をさせていただきました。

会社経営の現場の生々しさを重視したため、言葉の定義が曖昧な感覚的な表現も沢山あったかと思いますが、読者の皆さんに対して、少しでも新しい「気付き」を得る機会を与えられていればと思っています。

よくリーダーの「あり方」は十人十色と言われます。リーダーが10人いれば10通りのリーダーシップがあると思います。もっと正確に言えば、この十人十色のリーダーも、それこそ時と場合によって、その時その時で最適なリーダーシップの発揮の仕方が違うと思います。

また、今までも述べてきたとおり、リーダーシップには地位や立場は関係ありません。会社や社会の偉い人だけが発揮するものではありませんから、皆さん一人ひとりが、世のため人のため、身近な人のために、一歩を踏み出してもらえればと思っています。

特に新型コロナウイルス感染症問題が発生して以降、信じられないぐらいの「お金あまり」が続いています。起業して経営者になりたい方は、リーダーシップを正しく発揮すれば、資金調達して、自分たちの夢を実現できるチャンスがあると思います。

そういうこともあってか、私のところにも数多くの若手起業家が相談に来るのですが、リーダーシップさえあれば、お金だけでなく、こういったSNSもありますので、自ら情報発信したり会いたい人にアプローチしたりすることまでできる環境までもが揃っていると思います。健康でいてリーダーシップがあれば、何でもできる世の中の到来です。

MBAで習うようなマネジメント・スキルのコモディティ化は著しく、優秀な人であれば、既に専門家のまとめサイトを検索したり、電子書籍で情報を獲得したりしていると思います。つまりは、そこでは差別化ができないのです。やはりこれからの時代で、結果に差がつく大きな要因は、リーダーシップ・スキルなのだと思います。

 

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私は、起業家だけでなく、全ての人にリーダーシップに興味を持ってもらって、スキルアップをしてもらいたいと思います。リーダーシップは誰しもが後天的に身に着けることができるスキルなのです。このより人間的で本質的なスキルを身に着けることで、組織や立場に制約されない人生が拡がっていくと思います。全ての人が対等であり、つまりはリーダーシップさえあれば人は誰でも動かすことができるというリーダーシップの基本原則に立ち返るだけでも、自分に無限の可能性があるように感じてもらいたいと思います。

本連載でもたびたび勝手に(!)登場させてきた人生の大先輩であるメンターの方々には感謝しかありません。素晴らしいキャリアで培った経験と知恵を「シェア」していただいておりますので、私も多くの人たちに「シェア」できればと考えています。

私は20代の時の企業再生を経験して以来、リーダーシップの重要性に気づき、リーダーシップを広めることをライフワークにしています。その過程で、誰か他人に貢献することを通じて、自分の人生も豊かになるという経験をさせてもらっています。毎日こんなにも楽しいことはありません。

本連載ですが、すき間時間を見つけて少しずつ書いてまいりました。私の家族や株式会社スーツのスタッフの皆さん、株式会社VAZのスタッフの皆さん、沢山の友人・知人の皆さん、そして、本連載に最後までお付き合いいただいた読者の皆さんには心から感謝申し上げます。

最後に毎回の定型文を記載しておきます。皆さんの「リーダーシップの旅」の話をぜひとも聞かせてください。期待しています。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

 

※この記事は、2021年5月25日付Facebook投稿を転載したものです。

リーダーシップ往復書簡 099

 

突然ですが、読者の皆さんの夢は何ですか?日常業務に勤しんで忙しさにかまけていると、若い時に自分が成し遂げたいと思っていた夢が何なのかさえ、すっかり分からなくなってしまいます。本日はこの夢について記載をしたいと思います。

多くの皆さんが持つリーダーのイメージのとおり、リーダーは大きな夢や目標を掲げているものです。ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)の中から例に採ると、桃太郎の鬼退治が一番分かりやすいかもしれません。

夢は、その人の一度しかない人生において多大な時間を費やすことにもなりますし、組織や組織を構成するフォロワーたちの「旗印」や精神的な支柱にもなります。それにも関わらず、私たちは小さい頃から深く考えることなく、ただ漫然と夢という言葉に接しているように思います。

多くの人は一度は学生の時に「あなたの将来の夢は何ですか?」という質問をされたことがあるのではないかと思います。ある人は野球選手、ある人はお金持ちと答えてきたかもしれません。

リーダーが掲げるべき夢は、世のため人のため、誰かのためになるものでなければなりません。極めて個人的な希望・要望は、多くの人を巻き込んだ夢にはなり得ないのです。フォロワーがリーダーに対して望んでいることは、誰もが感動するような共感したい夢、崇高な夢を掲げてくれることなのです。

そのため、リーダーが掲げる夢は「なりたい」ではなく「こうしたい」と表現されるものです。社長になりたい、お金持ちになりたいというような夢の主語が自分ではフォロワーからの共感は得られません。

また、夢は、決して数字で語られるものでもありません。もし大きな売上高や高い株価が夢だというリーダーがいたら、それを叶えてしまったら、その人やフォロワーはどうするのだろうと思います。私はクライアント企業の経営理念やビジョンの策定のお手伝いをすることが多いのですが、大手の経営コンサルティング会社が関与している大企業のビジョンは数値目標であることが多く、経営理念は多くの人が共感できるような明確な言葉でしっかりと語られています。

最後に、リーダーシップと夢というテーマならば欠かせない事例をご紹介しておきます。アメリカで人種差別撤廃を訴え活動したキング牧師の演説です。

私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。
私には夢がある。それは、いつの日か、不正と抑圧の炎熱で焼けつかんばかりのミシシッピ州でさえ、自由と正義のオアシスに変身するという夢である。
私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である。
今日、私には夢がある。
私には夢がある。それは、邪悪な人種差別主義者たちのいる、州権優位や連邦法実施拒否を主張する州知事のいるアラバマ州でさえも、いつの日か、そのアラバマでさえ、黒人の少年少女が白人の少年少女と兄弟姉妹として手をつなげるようになるという夢である。
今日、私には夢がある。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

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【Q.99】
リーダーとして、気を付けていること、心がけていることがあれば教えてください。

 

<コメント>

今、私は時価総額100億円以下の中小・中堅・スタートアップ企業の経営支援をする株式会社スーツと、大手YouTuber事務所の株式会社VAZの社長をしています。そのため、現在は自らも正しくリーダーシップを発揮しなければならない立場にあります。

私がリーダーとして気を付けていること、心がけていることは、(少なくとも日々直接触れ合う機会の多いフォロワーの人たちにとっては)優れたリーダーであろうとする努力をするようにしています。

「人は性善なれど弱し」のとおり、私も背筋を伸ばして努力してフォロワーの皆さんの分まで「焼け火ばし」を持たなければ、怠惰な方へ流れてしまうのです。

リーダーとして一番簡単なことは、自分の人生を誰よりも長時間にわたり、みんなで掲げた夢に費やすことです。これは私がただ単に能力が低いからということもあるかもしれませんが、多くの優秀なフォロワーの皆さんを前に、リーダーとして、せめて多くの時間を費やす情熱ぐらいは持ち合わせていなければならないと思っています。

そして、みんなが熱狂・共感するような夢を掲げ、その夢を個人の夢ではなくフォロワーみんなの夢になるように、繰り返し繰り返し、丁寧にコミュニケーションをするように心がけています。このコミュニケーションについては、100回、1,000回に留まるものではなく、耳にたこができるぐらい繰り返さねば人の心は動かせないと考えています。

また、私は臆面もなくプロ経営者と名乗っていますが、実はあまり目先の数字の話をしません。リーダーとは長期的な視野を持って未来を目指し、フォロワーの心に働きかけて現状に挑戦させることが大事だと思っています。このためには、フォロワー一人ひとりの可能性や将来を本気で考えて、率直なフィードバックを行っています。

その際に、フォロワーとの間での愛情や信頼を欠かさないように、自然体で、ユーモアを忘れずに、より本質的で正しいことをしようとしています。リーダーとフォロワーの関係は対等の関係です。組織の地位や権限などのパワーに頼ることなく、夢や共感の力で、一人でも多くのフォロワーを動かせるようになりたいと考えています。

その他にも、本連載の中で、リーダーとして気を付けなければならないことをご紹介してきたつもりです。読者の皆さんが、これからリーダーシップを発揮するうえで、少しでもご参考になれば幸いです。

 

 

※この記事は、2021年5月25日付Facebook投稿を転載したものです。

リーダーシップ往復書簡 098

 

どうすれば本物のリーダーになれるか。私がリーダーシップについて情報発信をし始めてから既に3年以上が経っていますので、大企業の管理職、PEファンドやVCファンド勤務の方、スタートアップの経営者など様々な人から度々この質問をされてきたように思います。

本連載でも何度も記載をしているとおり、本物のリーダーとは、必ずしも政治家や経営者など地位に就いているものではありません。

東日本大震災が起きてしばらくした時にたまたま同席して聞いていたのですが、私のメンターの方が、代議士に対して、リーダーシップについて話をしていました。話の内容は「今の時代、二世議員・三世議員がいて、食べていくための職業としての政治家もいるが、君は職業として政治家をしているのか?それともリーダーとして世のため人のために貢献していきたいのか?」といった主旨でした。

リーダーとは職位ではありませんから、目指すべきものではなく、行動の結果として、リーダーになるのです。

これは前々回に記載したヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)でも、多くの物語はそのようなストーリーとなっています。主人公は最初から意識してリーダーになってはいないのです。それこそ、ひょんなことから旅に出て、途中で夢や目標を掲げて、リーダーに成長していくのです。

それでは、どうすれば本物のリーダーになれるか。

リーダーを目指したい人は、とにかく一歩足を進めて、安住の地から離れて、旅に出なければなりません。そして、リーダーになるからには、自分のことばかり考えるのではなく、世のため人のため、他人のためを考えなければなりません。無私の心があなたを本物のリーダーへと近づけるのです。

今の世の中ですので、日本国内でチャレンジするのであれば、生き死にの問題に直面するようなことは考えづらいです。暴論のように聞こえるかもしれませんが、一歩踏み出して、その夢や目標を叶えるための旅に出ることが大事です。スタートアップ業界でよく聞く、まさに「起業しろ」だと思います。

次に、世のため人のためになる夢や目標を掲げることが大事です。フォロワーがついて来たいと思うような夢や目標を掲げなければリーダーではありません。二世議員・二世経営者だって、祖業や今までのステークホルダーを大事にしながらも、新しい夢や目標を掲げることができます。

リーダーシップの旅に出れば、旅の途中で幾多の苦労や困難があるかもしれませんが、いつか本物のリーダーになることができると思います。案ずるより産むが易しです。一度しかない人生で、リーダーになりたいならばチャレンジしてみることをお薦めします。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

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【Q.98】
毎回、感心しながら本連載を読ませていただいていますが、実際の社会人生活において実践する覚悟が決まりません。どうすればよいでしょうか?

 

<コメント>

私は以前テレビドラマの台詞などで使われた「死ぬこと以外かすり傷」という軽い考え方が嫌いです。ご質問者の方のように、真面目に考えれば躊躇逡巡するのが普通だと思います。

リーダーシップの「あり方」を実践するには、今まで長い間かけて身につけてきた経験や概念などの「垢」を落とさねばなりません。

本連載も約100回近く記載をしてきましたが、私がリーダーシップを語る際に気を付けていることは、分かりやすいように社会人・組織人として馴染のある事柄を取り上げながらも、リーダーとしての考え方、つまり一般的な考え方とは少し違うアングルでの考え方・見方を提供することです。リーダーの考え方とは、より人間的であり、より本質的なモノの見方なのです。

実践する覚悟ですが、前述のとおり、案ずるより産むが易しと思う一方で、私は無理に腹を決める必要はないとも考えています。

どんなに疲れた人であっても、たっぷりと休養さえとれば、また何かやりたいと思うものです。リーダーシップも同様で、リーダーシップ自体がより人間的で本質的なことなので、いつか実践したいと思うものだと考えています。

それこそ、リーダーシップは、私たち人類の遺伝子レベルに組み込まれているものなのではないかと思います。小さい子どもたちですら自然とリーダーシップを発揮しています。

リーダーシップには、清水の舞台から飛び降りるような覚悟は不要です。いつか世のため人のため誰かのために、リーダーシップを発揮したいと思う日が来たら、その時は覚悟を決めて、一歩踏み出してもらえればいいのではないでしょうか。

 

 

※この記事は、2021年5月23日付Facebook投稿を転載したものです。

リーダーシップ往復書簡 097

 

ビジネスシーンで愛・愛情について話をすると違和感があるかもしれません。鳩山元首相が以前、政治シーンで友愛という言葉を使いましたが、国民の多くに受け入れられなかったことも根っこは同じだと思います。

夏目漱石が「I love you」を「月がきれいですね」と翻訳したという逸話がありますが、日本人は直接的に愛という言葉を使うことに対して気恥ずかしさがあるとともに、愛とはある種の宗教性を帯びた言葉なのだと思います。日本はクリスマスやハロウィンなど大々的にイベント化している一方で、宗教性を隠す文化ですから、直接的な表現を使うと逆に一定数の人は身構えてしまうのだと思います。

しかし、リーダーシップを語る上でこの愛・愛情について語らずにはいられないのです。

なぜならフォロワーを大きく成長させるためには、より一層の努力をしてもらわねばなりません。その努力をやりきらせるためには、精神的なサポートがなければ、途中で離脱してしまうのです。

本連載の重要なキーワードである「人は性善なれど弱し」という言葉を思い出してください。いかにフォロワーが世のため人のために素晴らしい夢や目標に共感していたとしても、想定以上の負荷がかかれば人は弱いから辞めてしまうのです。

この負荷をフォロワーが克服するためには、そこにはリーダーの大きな愛情がなければなりません。

例え話でいうと、一流アスリートとコーチのような関係が分かりやすいかもしれません。アスリートとコーチの関係も疑似親子・疑似兄弟のように周囲の人から見受けられる場合がありますが、それに近いものかもしれません。

一部の大企業などは人の成長には愛・愛情が必要であることに気が付いて、なるべく直接的な表現を用いずに、愛・愛情を育みやすいような仕組みを作るなどをしています。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

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【Q.97】
自分の「心の闇」、ネガティブな部分と、どのように向き合っていますか?

 

<コメント>

私も経営者としてのキャリアが15年程度になりましたが、まだまだ成長途中の人間ですので、日々においても、一喜一憂してしまうのが正直なところです。

ご質問で「心の闇」と表現されているような怒りであったり復讐心であったりが芽生えるときもあります。もしかすると、一般的な人たちよりも、感情的には遥かに激しいものが自分にはあるように認識しています。

アンガーマネジメントのような話になりますが、私はそういったネガティブな感情が生まれた場合は、まずは自分の感情を認識することに努めています。

その次に、それを、どうにか口に出さない努力をしています。口にしたら最後で、周囲の人の目もありますので、引くに引けなくなっていってしまうのです。そのために一生懸命に我慢をするのです。

そして、罪を憎んで人を憎まずで、行動と人間を切り分けて考えるようにしています。人間ですから、どんなに優れた人であったとしても、失敗は付き物です。腹立たしい行動のたびに人に憎悪の炎を燃やしていたら、周囲に人がいなくなってしまいますし、何より自分も疲れてしまいます。

自責と他責という観点もあります。自分の周りに起きたことは全て自分が引き起こしているのです。誰かに怒りの矛先を向けるのではなく、自分が反省して、問題解決に努めたほうがよいと考えます。

若かりし頃にメンターの方から言われた「敵を愛せ」という心持にはなかなか到達できませんが、優れたリーダーになるためにはネガティブな感情を自制できることは大事なポイントだと思います。

 

 

※この記事は、2021年5月23日付Facebook投稿を転載したものです。