執筆者 小松 裕介 | 11月 28, 2020 | CEO

リーダーシップとは「やり方」ではなく「あり方」です。そのためリーダーシップを学ぶには、どうしても方法論になりがちな「座学」よりも、そのリーダーシップを発揮する人の人生そのものの勝負となる「実践」に勝るものはないと思います。
本稿では、久しぶりに、少しだけ私個人の話を記載させてもらおうと思います。
縁あって、2020年10月下旬より、大手YouTuber事務所の株式会社VAZの代表取締役社長を務めることになりました。前職の上場会社の代表取締役社長を辞して以来、約6年ぶりの事業会社の社長になります。
その間に、時価総額100億円以下の中小・中堅会社やスタートアップ企業を経営支援する株式会社スーツを創業したわけですが、同社は「ハンズオン」(hands onという「実践」の意味から転じ、投資ファンドやコンサルティング・ファームのスタッフが出資先やクライアント企業の経営に直接参画すること)をコンセプトにしているとはいえ、あくまでクライアント企業様の社長(リーダー)を支えることが主な仕事です。
今回は私自らが社長ですので、自らが旗振り役、会社のリーダーとしての役割を全うしなければなりません。
私が本連載などリーダーシップに関する情報発信をするようになって数年が経過していますが、久々に経営実務家としてリーダーシップを発揮することで、日々リーダーとしての「あり方」を勉強をさせていただいています。
まだ社長就任以来、1ヶ月しか経っておりませんが、VAZには素晴らしいクリエイターやスタッフが数多く在籍しており、必ず良くなると確信しています。
20代の時にメンターの方に「正しく地位にある人間が、正しくリーダーシップを発揮すれば、その組織は必ず成功する。」と言われたことを思い出しながら執務に当たっています。
VAZですが、ありがたいことに、新しいオーナーでもある共同PRの谷社長のご支援もあって、強力なベテランスタッフ陣からもご支援いただいています。また、多くの社外の経営者、投資家やメディア・エンターテイメントの先輩方からもご協力をいただいています。
新型コロナウイルス感染症問題もあって、2020年は世の中には暗いニュースがあふれています。このような時こそ、世のため人のためにも、最高のエンターテイメントを提供できるように努力したいと思います。
私もYouTuber事務所のVAZの社長として、新しいエンターテイメント領域において、今までのキャリアをかけて、強いリーダーシップを発揮していきたいと思います。久々の戦線復帰ですので、しばらくは至らない点もあるかもしれませんが、ぜひともご指導くださいますようお願い申し上げます。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.61】
リーダーシップの醍醐味について教えてください。
<コメント>
リーダーシップの醍醐味は、多くのフォロワーが自らの足で前を向いて歩み始めるお手伝いをできることだと思います。また、それを通じて、自らが組織のリーダーとして達成したい夢も叶えることができることだと思います。
前者は、GEのジャック・ウェルチがリーダーシップの4Eとして提唱したEnergy(自分自身がエネルギーにあふれている)、Energize(周囲を元気付ける)、Edge(競争心が強く、困難な決断を下すことが出来る)、Execute(実行力があり、結果に結びつけることが出来る)の中の、Energizeに近いイメージかもしれません。
後者は、リーダーシップの素晴らしいところは、何と言っても、最初は自分が思い描いた夢であり、実現時にはみんなの夢となっていることを実現することができることだと思います。
会社の社長ならば、醍醐味として経営成績を上げること、IPOをすることなど考える方がいるかもしれませんが、それらは所詮、お客様や社内のスタッフなどフォロワーの皆さんに共感いただいて、ご支持をいただいた結果に過ぎません。
前段でも記載をしましたが、リーダーシップは「やり方」ではなく「あり方」が問われており、今までの生き方も含めて、リーダーの人生そのものが問われています。
リーダーが想い描く具体個別の夢は様々あると思いますが、多くのフォロワーの先頭にいて、世のため人のために尽くす機会を得られるということはそうあることではありません。
リーダーシップとは、リーダーの人生を総括するようなチャレンジでもあり、こんなにも挑戦的で面白いことはないと思います。
※この記事は、2020年11月28日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 11月 22, 2020 | CEO

長らく、リーダーが身に着けなければならないスキルである利害関係の調整について記載をしてまいりましたが、このテーマについては今回で最後にしたいと思います。
リーダーは、物事を進めるために利害関係の調整をするだけでなく、利害関係の調整を通じて影響力の獲得を行います。
そのため、利害関係の調整が不調に終わるということは、リーダーに相談しても問題解決できないということをフォロワーに露呈させるだけのため、一度相談を受けるからには、必ず当事者が満足するような利害関係の調整をしなければなりません。
本連載において、利害関係の調整と裁判をたびたび比較してまいりましたが、利害関係の調整では当事者の納得度が優先されるため、必ずしも厳密な証拠が求められるわけではないのです。
裁判は過去の行動について法律に基づいて裁くものですが、利害関係の調整は未来志向で、各当事者のことはもちろんですが、組織の理屈や世間への体裁など全体のバランスも考えながら利害関係を調整することなのです。
そのため、前提となる情報分析が非常に大事になってきます。リーダーの影響力の強さによって、当事者や当事者周辺の情報にアクセスできるかどうかが変わります。また、情報を取得した後に、正しく情報分析できるかどうかは、リーダーのインテリジェンス能力にかかっています。
正しい情報分析さえできれば、あとはリーダーが持つ道徳心や倫理観にしたがって、利害関係の調整を行えばよいのです。
リーダーにおいて、利害関係の調整がいかに重要かについて記載をしてまいりましたが、実践を繰り返すことでどんどん上手になっていくと思います。
特に情報は影響力の強い人に対して流れてきます。そのためリーダーが利害関係の調整を繰り返した結果、影響力が強くなっていけばいくほど、より簡単に情報にアクセスできるようになり、より当事者の納得度の高い、正しくミスのない利害関係の調整ができるようになると思います。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.60】
リーダーシップとマネジメントのバランスについて教えてください。
<コメント>
回答が非常に難しいご質問です。
理想論で言えば、やはりリーダーは、人を導くリーダーシップのみでフォロワーに接するべきだと思います。
リーダーの掲げた夢やビジョンに共感して、自発的にフォロワーが一生懸命に活動してくれる。
最近はティール組織や、このティール組織の発想の元となっているインテグラル理論などが流行りですので、多くの人がリーダーとフォロワーの理想的な関係を追い求めていると思います。
現実的には、会社の場合は、業種や成長ステージによって、リーダーシップとマネジメントの最適なバランスは変わってくると思います。
特に、人を管理するマネジメントとITの親和性は高く、今の時代では、この論点を無視しては、競合他社と比べて、生産性が著しく落ちてしまいます。
但し、本来あるべき姿としては、このIT含むマネジメントは、やはりリーダーシップを助けるためのものだということを正しく理解しなければなりません。
本来の位置づけを正しく理解したうえで、リーダーシップとマネジメントのバランスに留意する必要があります。この2つは組織運営を行う上では非常に大事な概念ですし、両立すべき概念です。
決して片手落ちにならないように、その時その時で、リーダーが最適な答えを判断していくしかありません。
※この記事は、2020年11月21日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 11月 16, 2020 | CEO

前回に引き続き、リーダーが身に着けなければならないスキルである利害関係の調整について共に考えたいと思います。
本稿では、リーダーの代表格である政治家が行う利害関係の調整について記載をしたいと思います。
政治家は、法律を作ることなどを通じて、実質的には利害関係の調整を行うのが仕事です。突き詰めると、政治とは、利害関係の調整なのです。
それでは政治家は、どのように利害関係の調整を行うのでしょうか。
政治家は、自分の影響力を拡大するためにも、一つでも多くの利害関係の調整役を買って出ます(多くの場合、政治家本人ではなく、秘書がその役割を担っていることが多いです。)。
政治家の多くは利害関係の調整を行う際に、相談に来た依頼者である利害関係人の目の前で、直接相手側に連絡をして問題解決を図ります。これを通じて、問題解決を図るだけでなく、依頼人に対して、力の誇示をするのです。
そして、利害関係の調整を行った場合、多くの場合、それにかかる直接的な見返りを求めないものの、その「貸し」を通じて、その依頼者に対して、長期間にわたり影響力を行使するのです。
政治家は、多数の利害関係の調整を通じて、多くの関係者との間で「貸し」・「借り」の関係性を構築します。
この関係性によって、合理的に考えると、その問題だけでは決して解決できないような問題解決をすることができるようになります。これは市井の人には真似することのできない利害関係の調整方法です。
その結果、政治家は、一般人では想像ができないような調整力を手にしていくのです。
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【Q.59】
私は、サラリーマンをしていて、いわゆる中間管理職です。
会社を良くしたいと考えていますが、経営者はとんちんかんで、それを見て、部下はやる気を失っているように思います。
まずは何から着手すべきでしょうか?
<コメント>
まずは、明日会社に行ったら、隣の席の人で構わないので、「会社を良くしたいと考えている。」と伝えるべきだと思います。
リーダーシップの第一歩は、世のため人のため、組織のため誰かのために、「より良くしたい」と伝えるところからです。
具体的な施策の各論になれば意見の相違があるかもしれませんが、少なくとも、その純粋な想いは共感されることはあっても、誰も否定することができないと思います。
「より良くしたい」という話を表に出して伝えれば、「それでは、より良くするためには、具体的にどうすればいいのか?」という話が動き始めます。
多くの場合、「人は性善なれど弱し」で、言い出しっぺになるのは嫌ですし、初めの一歩が重いものです。
まずは、そこのリスクを、リーダーシップを発揮して、誰かの代わりに抱えてあげましょう。本来ならばちょっと考えれば分かるものですが、この程度のリスクはあるとはいえないようなものです。
もはや歴史・伝説と言っても過言ではありませんが、インドのガンジーの塩の行進や公民権運動のマーティン・ルーサー・キング・ジュニアのワシントン大行進も、行進の最初は、小さな一歩です。
ぜひとも質問者の方も、リーダーシップを発揮して、まずは一歩を踏み出してもらいたいと思います。
※この記事は、2020年11月16日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 11月 8, 2020 | CEO

前回に引き続き、リーダーが身に着けなければならないスキルである利害関係の調整について共に考えたいと思います。
本稿では、具体的な利害関係の調整の方法について記載をしたいと思います。
なお、利害関係の調整は、案件ごとに全く違う内容・違う当事者のため、この場合にはこの対応といった正解のない世界です。また、報酬を得る目的で、法的な紛争に関して他人と交渉をしたり法律相談に応じたりすることは非弁行為となり違法行為なので注意が必要です。
以前も記載をしてきましたが利害関係の調整は、裁判ではありませんので手続きや証拠うんぬんよりも、当事者の納得度が大事になってきます。
そのため、まずはリーダーの正義や倫理観に基づいて、利害関係の調整が必要な当事者たちの主張を整理し、インテリジェンスに基づき正確に状況把握し、落としどころのイメージを掴むことが効率良いやり方だと思います。
将来の利害の調整であれば、利害関係が一致しない当事者2名の希望の間を取るという調整方法が一般的です。2名が、冷静で合理的なプレイヤーの場合は、この方法で調整がつく可能性が高いでしょう。
既に当事者間でいざこざになっていて、そのうえで、将来の利害の調整が必要な場合であれば、過去のいざこざに対して評価し調整する必要があります。
明かに暴走している当事者については、あえて正論だけで対処するのもまとめる利害関係の調整のコツです。
パワハラやDVなどと同じで感情的に暴走している人は自制が利かなくなっていて止まれなくなっている可能性があります。その場合は、中途半端な調整ではまとまらない可能性があり、目を覚まさせる必要があります。その場合は、ペナルティを示唆したり、脅したりするなど厳しく対処することも視野に入れなければなりません。
日本は村社会だからか、最初にドンと厳しい交渉をしてから落としどころを見つける交渉スタイルの人はあまり多くなく、優れたリーダーの中には、このようなまとめ方に慣れている方もいます。
あと、本当に筋が悪い場合以外は、利害関係人の当事者のメンツを保てるように配慮するなど、調整上手な方は様々なテクニックを持っていると思います。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
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【Q.58】
私もリーダーシップの考え方にとても共感していますが、どのように社内に、この考え方を広めていけばいいでしょうか?
<コメント>
以前から本連載でも紹介していますが、「リーダーはリーダーを育てる」という格言があります。
そのため、一番はご質問者の方が、自らリーダーとなって、リーダーシップを実践するのが良いと思います。
リーダーシップを実践する過程で、ご質問者と行動を共にした人は将来、立派なリーダーになると思いますし、リーダーシップの力を知る機会を得ることになると思います。
もちろん、リーダーシップの実践の後は言語化する努力も必要だと思います。私もリーダーの端くれとして、このような連載をするなどして、少しでも多くの人にリーダーシップを学んで欲しいと思い、自身の体験を元にリーダーシップの言語化を目指しています。
今の時代ですので、座学で、リーダーシップを学ぶことも大事なことではないかと思います。
科学的なデータは把握していませんが、私は、座学でもリーダーシップの勉強をした人のほうが、全くリーダーシップを勉強していない人よりも、実際にもリーダーシップを発揮できるような気がしています。
※この記事は、2020年11月8日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 11月 1, 2020 | CEO

前回に引き続き、リーダーが身に着けなければならないスキルである利害関係の調整について共に考えたいと思います。
本稿では、利害関係の調整の際のリーダーの心構えについて記載をしたいと思います。
利害関係の調整をするリーダーには、無私の心が必要です。これは優れたリーダーからすれば自然体で臨めることだと思います。
リーダーは、利害関係が一致しない当事者のため、組織全体のため、社会のためなど、多くの人のことを考えなければ、利害関係の調整をすることができません。
特に利害関係が一致しない当事者が多い場合などは、蟻の一穴で、一人の当事者の判断によって、利害関係の調整全体が不調に終わってしまう場合もあります。
リーダーは、利害関係の調整を成功させることが最優先で、もちろん自分のことなどは二の次にしなければなりません。
利害関係の調整内容次第によっては、短期的にリーダーが損をすることがあるかもしれませんが、成功させれば、必ずリーダーの影響力は拡がります(以前も記載したとおり、リーダーが利害関係の調整を引き受けるからには、必ず成功させなければなりません。)。
この事例として落語の「三方一両損」を挙げたいと思います。これは「左官金太郎が三両拾い、落とし主の大工吉五郎に届けるが、吉五郎はいったん落とした以上、自分のものではないと受け取らない。大岡越前守は一両足して、二両ずつ両人に渡し、三方一両損にして解決する」というエピソードです。
この話は、大岡越前の史実ではないようですが、リーダーの利害関係の調整の事例の一つとして参考になると思います。これは江戸時代の裁判を紹介した話ではなく、リーダーによる利害関係の調整のエピソードなのだと私は考えています。
まず、この話ですが、前述の記載のとおり、現代の裁判では信じられない判決です。過去に起きていることではなく、未来志向で、問題解決されています。
次に、利害関係の調整人が、目の前の問題解決のために、自らが金銭的な負担をすることで問題を解決し、その結果、名判決をしたという中長期的な影響力を手に入れるというのもよく出来ている話だと思います。
このようにリーダーによる利害関係の調整は、当事者のため、世のため人のために一生懸命に行い成功させれば、短期的にリーダーが損するようなことがあったとしても、中長期的にはリーダーの影響力を高めることになると思います。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.57】
プロ経営者などリーダーとしてキャリアを築いていく上で、注意しなければならない点は何でしょうか?
<コメント>
前提として、質問者の方が考えるキャリアと私の考えるキャリアが一致しているかという論点があります。
どういうことかというと、例えば多くの人から憧れられる大企業に入社し順調に歩んでいるキャリアは、それはそれで素晴らしいことだと思いますが、その大企業の地位になければ力を発揮できないことが往々にしてあります。
私が考えるキャリアは、過去のキャリア(経験や経歴)というよりも、過去から未来へと繋がる「生き様」なのです。
こういった観点からアドバイスをすると、あまり要領が良くなり過ぎないことが大事です。
日々の仕事において、要領の良さは仕事のアウトプットに直結しますから、多くの人が重きを置いて捉えていると思います。
しかし、キャリアという観点では、眼鼻が利きすぎて、要領が良いと、問題を回避する選択をしがちです。そうなってしまうと、本来ならば、その人にとって必要となる成長の機会をみすみす逃しかねないのです。
ある程度の年齢になると、いかに過去の経験や経歴が立派であっても、まさに今、周囲の人から期待され求められていることを成し遂げられないのであれば、そのキャリアには意味がないと評価されてしまいます。
もちろんバランス感覚が必要であることは言うまでもありませんが、私は、適度に不器用に生きたほうが、リーダーシップも磨かれますし、人生が豊かになると考えています。
※この記事は、2020年10月31日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。