執筆者 小松 裕介 | 6月 6, 2020 | CEO

引き続き、リーダーが理解し身に着けるべきインテリジェンスについてご紹介したいと思います。
力あるリーダーには様々な情報が集まります。そして、公式・非公式問わず、様々な情報にアクセスすることができるのが、優れたリーダーの持つ影響力の力です。
今回は、その集まった情報を、リーダーはどのように取り扱うべきかについて記載をしたいと思います。
「情報保持者は、情報開示相手に対して、その情報の全部または一部を、自分のタイミングで、共有することができます。」
これが情報というカードを切る際の選択肢ですが、①情報開示相手を自由に選べること、②情報は、必ずしも全部開示する必要はなく、部分的に取り扱うことができること、③タイミングを自由に選べることなどから、それこそ無数に選択肢があります。
例えば、業績不振の会社が、あえて会社の苦境に関する情報を一般スタッフまで情報共有することによって、全社的に士気を鼓舞するような選択肢もあるかもしれません。逆に、会社の苦境に関する情報は上層部しか持たせないことによって、一般スタッフたちに安心感を持ってもらうという選択肢もあるかもしれません。
リーダーは、情報開示相手に関する情報も持っていることが多いため、その情報共有した情報が、その後、どのように流れるかまで予測がつくはずです。
情報を制すれば、人の動きをコントロールできるのです。
もちろん、倫理観を逸脱して権謀術数を尽くして情報コントロールしてはいけませんが、優れたリーダーは、この情報というカードの切り方で、人を動かしていることも事実でしょう。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.35】
今まで”組織人”としては情報共有するのが正しいという理解をしてきましたが、違うのでしょうか?
<コメント>
教科書の世界では、”組織人”は、報告・連絡・相談をしましょうと習ったように思いますが、実際は違います。
少なくともリーダーは、組織のために、情報を抱えなければならない、あえて、情報を分断しなければならないことがあります。
経済小説などでも、「(この情報は)墓場まで持っていく。」という表現が出ることがありますが、まさにあの世界です。
なお、私は、少しですが危機管理コンサルティングをしているため、大企業の重要情報や恥部のような話を聞くことがありますが、このような情報にアクセスできる人はとても限られています。
例えば、資金繰りに窮している会社があるとします。この窮状は社長と財務役員のみが情報を持っているとしましょう。これを、全社的に共有したらどうなるでしょうか?
多くのスタッフからすると、その情報をもらったところで何もできず、不安が増して業務効率が落ちてしまうだけです。
弱い人や、組織に対して忠誠心の乏しい距離感の人に、組織に関する重要情報を共有されても、逆効果の場合があります。
情報共有しないことがスタッフを守るケースもあります。
これはスパイの世界などでは当たり前の考え方なのですが、あえて情報を分断することで、その人を守るという考え方です。
この考え方は、基本的に、人間は、拷問などを受けた場合は、もし情報を持っていたら相手に情報開示してしまうという前提に基づいています。
当たり前ですが、もし機密情報を持っていることが分かったら、そのスパイは敵から襲われるリスクが高くなります。
組織としては、下手に情報共有することによって、情報漏洩リスクを抱えるばかりか、当該スタッフまで襲われるリスクを抱えてしまいます。
そのため、情報を分断することが、組織を守ることになりますし、そのスタッフを守ることになります。
これらのように、情報共有と情報の分断とを使いこなすことで、リーダーは組織を守らなければなりません。
必ずしも、情報共有が全て正しいとは考えないほうが良いでしょう。また、もしリーダーから機密情報を共有されなかったとしても、疎外感を覚える必要もありません。
リスク・マネジメントの世界ではむしろ当然のことなのです。
※この記事は、2020年6月6日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 5月 31, 2020 | CEO

引き続き、リーダーが理解し身に着けるべきインテリジェンスについてご紹介したいと思います。
組織の重要な意思決定の際に、リーダーは、いかにフォロワーを信頼していたとしても、一人だけの情報を鵜呑みにせずに、複数人から情報を取得したほうがいいでしょう。
前々回にも取り上げましたが、そもそも大体の場合、情報は網羅して取得することができません。そして、事実ではなかったり、評価が間違ったりしている情報が含まれている可能性があるものなのです。
これはフォロワー個人に対する信頼とは別次元と心得るべきです。人間の記憶がひどく曖昧なものであることは、皆さんにもご理解いただけるものと思います。
複数人から情報を取得することによって、事実(ファクト)と評価を分けて情報取得することができますし、事実についても、より精緻な情報を取得することができるかもしれません。
リーダーは情報を元に意思決定するわけですが、意思決定によっては、人の生き死にに関わる場合もあるわけです。
その時に一人の人間の記憶や評価に頼るようなことはあってはなりません。石橋を叩いて渡るような慎重さが求められます。
その際は、リーダーは積極的に情報の取得に動かねばなりません。自ら求めなければ、情報は手に入らないのです。
そもそも重要事項の場合は、全体像を知っているのはリーダーなどごく一部の人間に過ぎないことが多く、必要な情報の価値にすら気が付かない人がほとんどです。
それを非公式なレポートラインで報告させるほうが無茶だと理解したほうがいいでしょう。
なお、私が影響を受けた、過去に大臣を務めた経験のあるメンターの方は、このキャリアにもかかわらず、必要であれば、全く知らない人であっても世間話をして情報を取りに行くような方でした。
それぐらいリーダーは、情報に対して、真剣に向き合わなければならないのです。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
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【Q.34】
リーダーにとって、インテリジェンスが重要であると思った経緯について教えてください。
<コメント>
別連載の「リーダーと考える経営の現場」の「第14回 リーダーシップの旅 前半」でも記載をしましたが、私はメンターから先に「インテリジェンス」というキーワードを教えてもらったように記憶しています。
ただ、私が企業再生などを通じてリーダーシップを発揮していく過程で、インテリジェンスの重要性について、感じずにいられなかったのも事実です。
リーダーとして意思決定をする場合に、当たり前ですが、その意思決定の前提は情報なのです。
そのため、情報が足りなければ決めることはできませんし、もし情報が間違っていたら、正しい意思決定などできるものではありません。
特に赤字会社においては社内政治なども酷く、情報は歪んでいる場合も多く、背景にあるコンテキスト(context)が分からなければ、情報の価値、情報の意味付けを間違えてしまうリスクがあります。
もし質問者の方が、リーダーとして多くの人に影響力を行使したいのであれば、インテリジェンスを身に着けることは不可欠だと思います。
また、フォロワーを守るという観点からは、リーダーがインテリジェンスを身に着けることは、責務と言っても過言ではないと思います。
※この記事は、2020年5月31日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 5月 23, 2020 | CEO

前回に引き続き、リーダーが理解し身に着けるべきインテリジェンスについてご紹介したいと思います。
情報は、組織図で言うと、低いところから高いところへ流れるという特性があります。
もっと正確に言うと、実は役職はあまり関係なく、高い地位によるパワーを有していたり優れたリーダーシップがあったり、とにかく「力があると思われている有力者」に向かって情報が流れます。
私は今までM&Aで経営権が交代する前後のやりとりを幾度となく見てきていますが、このタイミングでは、今まで前の経営者に流れていた重要情報が新しい経営者に流れはじめる一方、前の経営者には重要情報が届かなくなるようなことはしばしばあることです。
また、例えば「力があると思われている有力者」の会社における地位が顧問であったとしても、取締役よりも情報を持っているという場合もよくあることかと思います。
このような特性のある情報ですが、リーダーはどのように収集すればよいでしょうか?
組織の公式のレポートライン以外にも、非公式の情報に価値があるのは言うまでもありません。
しっかりと組織が構築されている会社であれば、大半の情報はレポートラインに乗りますが、例えば上司に対する忖度などはこれらには表立っては反映されませんので、リーダーは非公式情報を取得して、行間を読む必要があります。
そして、やはりリーダーたるもの、積極的に、現場の情報を取りにいかなければなりません。
前回のとおり、情報は、その情報が事実(ファクト)なのか、それとも、その情報には誰かの評価・分析まで含まれているものなのかを分けて考えなければなりません。
現場から情報が上がってくる過程で、上司によって、一言添えられていたり、下手をすれば加工されていたりすることも多く、情報の多くは既に誰かのバイアスがかかっているわけです。
情報収集の過程で、評価を加えた人間の特性、人間関係や置かれている状況などを考慮して、リーダーは情報分析する必要があります。
リーダーが現場に出向いて情報を取得する価値は、レポートされて来るよりはるかに多くの情報量を取得することができること、そして、このようにチェックが入ることを周囲に知らしめることによって、何より恣意的に歪んだ情報を報告できないとフォロワーに示すことにあります。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
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【Q.33】
ここ何回かに渡り、リーダーのインテリジェンスの重要性を説かれていますが、具体的なエピソードを教えてください。
<コメント>
私は、正しくリーダーシップを発揮するうえで、インテリジェンス・スキルは不可欠だと思っています。
繰り返し紹介しますが、「人は性善なれど弱し」です。
分かりやすい例え話ですが、部下がミスをした場合、報告そのものが上がってこなかったり、虚偽の報告が上がってきたりするのです。
リーダーとは、暗闇の中、集団の先頭で、たいまつを持って、フォロワーを率いて進む存在です。
このたった一人のフォロワーの弱さで、集団全体・組織全体が危機に陥ることすらあるのです。
そのため、リーダーは正しく情報分析をする必要があるのです。
私が若かりし頃、企業再生に従事していて、赤字である事実を隠していた社長を見たことがあります。自分が「名経営者」でいたいがために情報を隠していたのです。
その会社の経営危機に際して、私は乗り込んで企業再生をすることになるのですが、その社長は、まさに虚像の人であって、本当に弱い人でした。
ただ外からは自己ブランディングに長けていたので、優秀な人のように見えていました。当該会社に関与するようになってから、すぐに会社の財務情報を紐解いて、幹部社員にヒヤリングをして、実像が見えてきたわけです。
また、最近でも、自己ブランディングに熱心なベンチャー経営者などのSNS投稿を見ていると、その人が思っている以上に、現在の精神状態が透けて見えてしまっている場合もあります。
SNS上で、一見、正論を主張しているようでありながら、それは自身の不安の裏返しであるなど、会社の内情とSNS情報を組み合わせることで見えてくることがあります。
リーダーが熱心にステークホルダーにかかる情報分析をしていれば、こういった人の弱さを感じ取り、職業的懐疑心を持って早期に行動することで、素早く問題解決に当たることができると思います。
※この記事は、2020年5月23日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 5月 16, 2020 | CEO

これから数回にわたり、リーダーが理解し身に着けるべきインテリジェンスについてご紹介したいと思います。
まず、普段は意識することもないと思いますが、情報について、深堀りして、理解をする必要があります。
情報とは、英語表記するとデータ(data)、インフォメーション(Information)、インテリジェンス(Intelligence)の3種類があります。
<情報の種類>
1.データとは、収集された情報
2.インフォメーションとは、データから抽出した意味のある情報
3.インテリジェンスとは、インフォメーションを、必要に応じて取捨選択し、多角的に内容を分析し、価値判断を与えた情報
情報の世界では、前提として、その情報が事実(ファクト)なのか、それとも、その情報には誰かの評価・分析まで含まれているものなのかを分けて考えなければなりません。
事実は一つだとしても、背景にあるコンテキスト(context)が分からなければ、情報の価値、情報の意味付けを間違える可能性があるので注意が必要です。
また、インテリジェンスには、以下のような特徴があります。
<インテリジェンスの特徴>
1.大体の場合、情報は網羅して取得することができない
2.事実ではなかったり、評価が間違ったりしている情報が含まれている可能性がある
3.往々にして、人はロジカルに動いていないため、情報を繋ぎ合わせたとしても、必ずしも合理的にはならない
4.時間の経過など状況によって、情報の価値が変わる
5.大半の情報は、オープンソースから情報分析して把握できる
6.ごくわずかな情報量だが、情報の価値判断に大きな影響を与えるような重要情報が存在し、それはオープンソースに含まれない
7.インテリジェンスには、オープンソースの分析、人による分析、ITによる情報分析がある
なお、会社の経営陣だと、日常業務においては、部下からの報告など、インフォメーションかインテリジェンスに接する機会が多いものと思います。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
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【Q.32】
リーダーシップとテクノロジーの関係について教えてください。
<コメント>
リーダーシップは人が主役であるのに対して、テクノロジーは手段、道具(ツール)です。
新しいテクノロジーを創る人も、新しいテクノロジーを活用する人も、やはり人であることを考えると、テクノロジーは成功への大きな要因ではあるものの、リーダーシップの世界は、やはり「人が人を動かす」なのだと思います。
しかし、これからのリーダーは、今までのリーダーが最低限のマネジメント・スキルを身に着けなければならなかったように、テクノロジーを学ばなければならなくなると思います。
以前もご紹介したことがあると思いますが、リーダーは、フォロワーに対して、夢を語り、共感を生み出すだけでなく、夢の実現に向かった「現実的な勝ち筋」も提示しなければなりません。
今までは、「現実的な勝ち筋」を提示する際に、例えば会社であれば、経営戦略、マーケティングやファイナンスなどマネジメント・スキルが最低限必要だったのですが、ここに来て急速にテクノロジーの比重が増しています。
これからのリーダーは、テクノロジーを通じて、イノベーションを起こして、社会課題を解決するということがメインになると思います。
また、例えばSNSを通じた情報発信のように、テクノロジーを活用することで、リーダーシップをより発揮できるようになるでしょう。
そのため、多くのフォロワーを魅了するためには、テクノロジーへの理解が欠かせなくなっています。
もちろん、リーダーなので、例えば物理学者やエンジニアなどテクノロジーに詳しいフォロワーを魅了して、動かせれば問題ないわけですが、せめて最低限、その人たちとスムーズにコミュニケーションを取れるぐらいのテクノロジーへの理解はないといけないと思います。
これからは、このテクノロジーへの理解・勉強が、リーダーシップの第一歩ということになるのではないかと思います。
※この記事は、2020年5月16日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 5月 13, 2020 | CEO

リーダーとは、暗闇の中、集団の先頭で、たいまつを持って、フォロワーを率いて進む存在です。
暗闇という不安の中では、リーダーには、情報を収集する能力、情報を分析する能力、そして、情報を使いこなす能力がある必要があります。
情報を集めることができなければ、進んでいる方向が誤っていることに気が付かないかもしれませんし、フォロワーがついてきていないことに気が付かないかもしれません。
また、集めた情報は、いつも全てが正しいとは限りません。暗闇の中では、全体像を把握することは容易ではなく、多くの場合、情報は断片的にもたらされるものです。そのため、情報の取捨選択をし、多角的に内容分析することが必要になります。
さらに、情報をどのように使うのかも大事です。適時適切に、情報の共有と情報の分断と2つを行うことによって、フォロワーを正しく導くことが必要になります。
以前も「リーダーシップ往復書簡 017」において、リーダーシップと親和性のある考え方として、インテリジェンス(Intelligence)をご紹介したと思いますが、改めて、インテリジェンスの定義を再掲します。
(定義)
「インテリジェンス(Intelligence)とは、情報(Information)を、必要に応じて取捨選択し、多角的に内容を分析し、価値判断を与える行為、または、その行為によって得られる情報(Intelligence)のことである。」
これから数回にわたり、リーダーが理解し身に着けるべきインテリジェンスについてご紹介したいと思います。
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【Q.31】
部下に「自分ごと」を醸成させるためには、どうしたらいいですか?
<コメント>
「部下に『自分ごと』を醸成させる」とありますが、部下に主体性を持ってもらいたい、部下にリーダーシップを発揮してもらいたいということかと思います。
世の中の多くの経営者や上司が同じような悩みを抱えていると思います。
部下が正しくリーダーシップを発揮しない理由は、知らず知らずのうちに、上司が部下に対して組織の枠組みの中で活躍することを求めているからかもしれません。
経営者がスタッフに対して「経営者のような働き方をしろ!」と言うものの、実際に自分と同じ経営者のような思考でスタッフが動いた途端、「組織人としてなってない。」と怒り出す人がいるのと同じです。
もしくは、部下が自分にゆとりがなく、他のことにまで手が回らないからかもしれません。自分に余裕がなければ、周囲の近しい人に対しても、手を差し伸べることができないのは言うまでもありません。「衣食足りて礼節を知る」ではありませんが、自らが苦しい状況では、なかなか他者にまで気が回るものではありません。
以前もご紹介しましたが、リーダーはリーダーを育てるのです。
部下が正しくリーダーシップを発揮できていないということは、残念ながら、上司も同じように、正しくリーダーシップを発揮できていないのです。
フォロワーはリーダーの写し鏡のような存在です。
まずは、質問者の方が、自らが正しくリーダーシップを発揮しているかを自問自答する必要があるでしょう。
そのうえで、その部下に対しても、しっかりとリーダーシップを発揮して、今後はもっと深く関与する必要があると思います。
リーダーが常日頃から正しくリーダーシップを発揮していれば、フォロワーも同じようにリーダーシップを発揮していくようになるでしょう。
※この記事は、2020年5月10日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
執筆者 小松 裕介 | 5月 13, 2020 | CEO

今日は、私の尊敬する同い年の経営者、そして、尊敬する人生の大先輩のエンターテイメント業界の重鎮の経営者が言っていた素晴らしい言葉を紹介したいと思います。
「家族を大事にできない人間に、良い仕事はできない。」
「私たちは、仕事が好きなのだから、平日は毎日「遊び」だけれども、休日は家族に対して、しっかりと「仕事」をしなければならない。」
リーダーとして、多くのフォロワーを導くようになると、人として正しいことは何なのかなど、全てのステークホルダーに対するコミュニケーションの前提となる、ごく一般的な道徳観や倫理観の大切さを思い知らされます。
その中の一つのテーマが家族です。
世のため人のためと言いながら、家族と疎遠になってしまっては元も子もありませんし、大事なものの優先順位を間違えてしまっています。
マザーテレサも「家族や友人など、まず身近な人から助けなさい。」と言っています。
新型コロナウイルス感染症問題によって、テレワークが多くなり、家族と過ごす時間も増えたように思います。
もちろんこのウイルスによって苦しまれている方も沢山いますので一刻も早い事態の収束を望んでいますが、今までの価値観を見直す良いチャンスであることも、また事実だと思います。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

【Q.30】
会社で自分は上司で立場が強いものの、いくら言っても、部下がしっかりとしてくれず、行動を改めてくれません。
リーダーならば、このように言うことを聞かない部下に対して、どのようにするのでしょうか?
会社のことを考えると、こういった部下はクビにする、外すなどの選択肢もあると思いますが、いかがでしょうか?
<コメント>
優れたリーダーならば、地位に依拠した権限、つまりパワーの行使はしません。
リーダーシップに立場は関係ありませんので、上司や部下と言う立場を超えて、一人の人間として、その部下と向き合って、その人を動かさなければならないと思います。
逆に言うと、リーダーがパワーに基づく権利行使をすればするほど、そのリーダーの価値は相対的に下がるのです。
これは例えば「私は社長だ。社長命令だから絶対だ!」と言われたら、興ざめするのと一緒です。
そのため、リーダーは、例え人事権などのパワーがあったとしても、自分が軽くなるだけですから、行使はしてはいけません。
お互いの立場を超えて、一人一人の人間としっかりと向き合うのは非常に大変なことですが、その都度、リーダーは人間力で勝負しなければなりません。
今回のご質問のケースだと、その方としっかりと向き合えば、結果として、部下の方がしっかりと前を向き始めるか、もしくは、自分には今の仕事が合っていなかったとして違う道を歩み始めるものと思います。
最後に補足をすると、もし縁を持つ人を選べる立場にあるならば、自分の限られた人生の中で、しっかりと向き合っても良いと思う人との縁を選ぶべきでしょう。
私も若かりし頃、先輩経営者から「人を採用するということは、2億円の手形を振り出すのと同じだ。」と教わりました。しっかりとした覚悟を持って、人と付き合わなければなりません。
ただ、皆さんもご承知のとおり、多くの場合は、望まなくとも縁ができてしまうものです(それを縁と表現するようにも思います。)。それならば、致し方ないと諦めて、その人と一生懸命向き合っていったほうが人生楽しいように思います。
※この記事は、2020年5月5日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月にソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社前身の株式会社スーツ設立。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し上場会社の子会社化を実現。2022年12月に株式会社スーツを新設分割し当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。