リーダーシップ往復書簡 047

 

前回に引き続き、リーダーとして向き合わざるを得ない、正しさや倫理観について共に考えたいと思います。早いもので、このテーマで10回連続の記載になりますので、今回まとめを記載して、次回から別のテーマに移りたいと思います。

たびたび本連載でも記載してきていますが、私の人間観は、伊丹敬之教授が指摘する「人は性善なれど弱し」です。

私は、リーダーとは、多少なりとも「性善でいて強い」存在にならなければ、弱いフォロワーの人たちを率いることができないと考えています。

その時にポイントになるのは「性善」とは何かです。「性善」の捉え方は人それぞれですし、幅がありますから、リーダーとしては、いつ何時もブレなく、世の中・一般の方の認識とズレなく、正しく・倫理的にいられるか。そこがポイントになると思います。

常識的な感覚としても、リーダーには正しさや倫理観が求められますし、リーダーとしては、正しさや倫理観は常に向き合わざるを得ないテーマなのです。

さらに、リーダーが、中長期的に継続して、正しく、倫理的であることは、信頼感の醸成やブランド価値の向上に繋がることでもあります。

そもそも「性善でいて強い」存在のリーダー自体が尊敬に値するわけですが、それが中長期に渡って、正しさや倫理観を保持していることは希少価値があります。

ビジネスの観点でも、リーダーの持つ正しさや倫理観から導かれるブランド力があれば、人材採用の観点や取引条件など様々な観点で有利に働くことになります。

伊藤忠の「三方よし」、住友商事の「浮利を追わず」といったような考え方は、正しさや倫理観を中長期的な観点から表現したものだと思います。

四半期決算に追われて日常を忙しくしていると忘れがちかもしれませんが、正しさや倫理観は、中長期的な観点からも、一度は立ち止まって深く考える価値があると思います。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

 

【Q.47】
優れたリーダーになるために、正しさや倫理観を大事にしたいと考えていますが、どうすれば上を目指せますか?

 

<コメント>

正しさや倫理観は、「やり方」ではなく「あり方」です。

そのため、常日頃から、人として正しくあろうとし、より良い倫理観を身に着けるよう努力するしか、上を目指すことはできないと思います。

強いて、「やり方」のような言い方をするとしたら、思考の際や意思決定の際に、正しさや倫理観という尺度で一度チェックをかけてみるといいのではないかと思います。

私は若かりし頃に、メンターの方から、一つ一つの行動が、常に人として正しい行いかどうかを問われていたように思います。

どうしても日常業務に近くなると、目先のお金の話や「やり方」の話をしてしまいがちです。

まずは、リーダーは、その考え方や行動が正しいかどうか、倫理的にも優れているかどうかを確認しなければなりません。

そのうえで、もしフォロワーが間違えていることがあるようならば、たとえ、短期的に、お金になるなどメリットがあろうとも、優先順位を明確にして、正しさを優先させなければなりません。

 

 

※この記事は、2020年8月29日付Facebook投稿を転載したものです。

リーダーシップ往復書簡 046

 

前回に引き続き、リーダーとして向き合わざるを得ない、正しさや倫理観について共に考えたいと思います。

本日は、正しさや倫理観あるリーダーが行うべき、節度ある「ケンカ」の仕方について記載をしたいと思います。

会社を長く経営していると、経営者とスタッフ、経営者と株主、会社と取引先など、利害関係が対立する人同士の間で、トラブルが発生してしまうことがあります。

もちろん、リーダーが常日頃からしっかりしていれば、このようなトラブルの数は劇的に減らすことはできると思いますし、万が一、トラブルに見舞われたとしても、多くの場合は、リーダーの人間力で問題解決できると思います。

図らずも起きてしまったトラブルの際に、リーダーはどのような行動をするべきか。フォロワーや周囲の人々は、リーダーの一挙手一投足を見ています。

私は、リーダーには「ケンカ」の仕方があると考えています。それは、倫理観のある、節度ある、正しい「ケンカ」です。

原則として、リーダーは「ケンカ」はしません。「ケンカ」になるのは、同じレベルの人間同士です。大人が子どもに対して本気になって「ケンカ」しないのと同じです。もし相手側があまりにも筋が通っていないならば、自分を相手と同じレベルに落とす必要はありません。もし「ケンカ」をする必要がある場合は、相手は明らかに強大で巨悪である必要があります。自分より格下の弱い相手と「ケンカ」をするのでは、弱い者いじめになってしまいます。

次に、それでも残念ながら「ケンカ」に発展してしまった場合は、確実に勝たなければなりません。「ケンカ」に確実に勝つ方法は、常日頃から人として正しいことを行うことです。勝てない「ケンカ」はしてはなりません。リーダーは、マキャベリズムに基づけば、ありとあらゆる手段を使ってでも、相手を屠る必要があります。

「ケンカ」の勝ち方にも気を付けなければなりません。フォロワーや周囲の人が引く程、やりすぎてはいけないのです。「やられたらやり返す。倍返し。」は間違っていて、「やられた分だけやり返す。等倍返し。」が原則です。これは外交やスパイの世界でもプロトコールになっています。いつまでも敵同士の関係ではいけません。ちゃんと人間関係を修復できる余地を残すべきだと思いますし、相手側を感服させる「ケンカ」をしなければなりません。

長々と書きましたが、大前提として、リーダーは、人間力を磨いて、トラブルを生じさせないようにしなければなりませんし、万が一トラブルが生じたとしても、解決できるようにならなければなりません。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

 

【Q.46】
トラブルの多い人やレピュテーションの悪い人とは、どのように付き合えばよいでしょうか?

<コメント>

一般的な処世術としては、このような人らとは距離を置いて付き合ったほうがよいでしょう。

しかし、そこは、あなたがリーダーとして成し遂げたいことによると思います。

本来は「罪を憎んで人を憎まず」があるべき姿だと思います。

繰り返し本連載でも述べてきておりますが、「人は性善なれど弱し」で、その人がトラブルが多い理由、レピュテーションが悪くなってしまっている理由には訳があるわけです。

その部分を考慮せずに、表面だけで人を評価すれば、一度きりの人生において、付き合うべき友人の幅が狭まってしまいます。

話を戻しますと、もしあなたがリーダーとして社会的にも大きな課題に取り組むならば、広くあまねく多くの人と付き合ったほうがいいでしょう。

もしかするとその人らが、強いフォロワーとなって、リーダーであるあなたを支えてくれるかもしれません。もっと言えば、あなたがリーダーならば、出会ったその人らを魅了して、フォロワーにするぐらいの人間力がなければなりません。

まずは色眼鏡で見ずに、胸襟を開いて、対等の精神で付き合うことがリーダーには大事なことだと思います。

 

 

※この記事は、2020年8月22日付Facebook投稿を転載したものです。

リーダーシップ往復書簡 045

 

前回に引き続き、リーダーとして向き合わざるを得ない、正しさや倫理観について共に考えたいと思います。

今まで、いかにリーダーが正しさや倫理観を持っていなければならないかについて縷々書いてきましたので、本稿では、プラグマティックに、正しくないことや倫理観を逸脱していること、つまり「悪」についても記載をしたいと思います。

リーダーには、夢のため、フォロワーのために、正しくないことや倫理観を逸脱していることをせざるを得ないときがあります。

もちろん言わずもがなで、リーダーたるもの、本来は、どのような苦境に陥ったとしても、ダークサイドには堕ちてはならず、常に正しく、倫理観を持って行動しなければなりません。

しかし、時に、例えば「トロッコ問題」のような問題に直面することがあるのです(以前も記載をしましたが、そもそも、本当に正しさや倫理観が問われるような二者択一の問題かどうか、しっかりと確認する必要があります。)。

万が一、このような場面に出くわしたら、リーダーは、正しくないことや倫理観を逸脱していることをするという意思決定を一人ですべきだと思います。できることならば、意思決定だけでなく実行についても、リーダーだけで完結したいぐらいです。

「人は善なれど弱し」ですから、このような重い内容をフォロワーに背負わせては、リーダーではありません。

アメリカ大統領が平和を希求するコメントを出す一方で、日々、テロリストらに対する暗殺指示を出していることは、マスメディアで報道されて広く知られていることですが、このような二律背反がリーダーには必要な時があるのです。

リーダーは、日頃から正しさや倫理観について、明確な価値基準を持っている必要があります。先ほどのような時に、どういった意思決定と行動をすべきか、リーダーの真価が問われます。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

 

【Q.45】
どのように善悪の問題と向き合っていますか?

 

<コメント>

私の場合は、「人は善なれど弱し」を自分に当てはめて、一度、深呼吸をして、冷静になって、シミュレーションをして意思決定をしています。

繰り返しになりますが、基本的には、リーダーは、正しいこと、倫理的なことしか行ってはいけません。

善悪の問題と向き合わなければならない時は、正しいことだけでは致命的・決定的になるリスクがあると考えている時です。それは、自信がなくなってしまっている時、不安を感じてしまっている時です。

このような時は決してパニックになってしまってはいけません。先ほど記載をしたとおり、浅知恵で、安易に「トロッコ問題」のように考えてしまっては火傷をすることになります。

まずは冷静になって、いつもと同じように、正しいこと、倫理的な行動だけで問題を解決できないかを考えます。ここでありとあらゆる可能性を考えます。

次に、どうしても正論だけでは乗り越えない問題だと確信した場合、ゲームから降りるか、もしゲーム降りられないとしたら、どこまでの悪事が必要か、悪事がバレた場合のサンクションは何があるかなど、様々シミュレーションします。

私は、幸いにして、酷く追い込まれる局面に出会ってきておりませんので、今まで正しいことだけで生きてこられていますが、それでも頭の中のシミュレーションでは悪いことを沢山してきたように思います。

このような話を書くたびに思うのは、出来る限りの可能性を考えて、善悪の問題を問われるような局面に追い込まれないような備えだけは日頃からすべきだと思います。

 

 

※この記事は、2020年8月15日付Facebook投稿を転載したものです。

リーダーシップ往復書簡 044

 

前回に引き続き、リーダーとして向き合わざるを得ない、正しさや倫理観について共に考えたいと思います。

リーダーは、フォロワーに対して、正しさや倫理観においても、さらに上を目指すように導かねばなりません。

多くの人が勘違いをしていますが、「悪ではない」が「善である」ではないのです。少しでも、より良い姿、あるべき姿を目指さなければなりません。
ビジネスにおいても、昨今のSDGsをはじめ、その波が来ています。

マイケル・ポーター教授が掲げるCSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)は、営利企業が社会ニーズ(社会課題の解決)に対応することで経済的価値と社会的価値をともに創造しようとするアプローチですが、まさにこの考え方もそうだと思います。

売上が増える、利益が増える。これらは資本主義社会で正しいと評価されると思います。

しかし、これだけで満足してはいけません。売上や利益を増やす過程で、より社会的な観点から正しいか、倫理的かについても、一生懸命考えなければならない時代が来ています。

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また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

 

【Q.44】
リーダーとしての成功とは、何だとお考えですか?

 

<コメント>

リーダーとしての成功は、一義的には、やはりリーダーが掲げた夢や目標の達成だと思います。

夢や目標の達成の定義は、決してリーダーの独りよがりのものではなく、やはりフォロワーや周囲の人々も含めて、分かりやすく夢や目標が達成されたことを成功と評価すべきではないかと思います。

「桃太郎」、「ロード・オブ・ザ・リング」や「スターウォーズ」などからも分かるとおり、古今東西、リーダーは旅に出ます。

当初は、旅の目的がないものもありますが、途中で、夢や目標・目的が出来て、仲間と出会い、努力の結果、その目的を達成するのです。

繰り返し記載してきましたが、リーダーとは、暗闇の中、集団の先頭で、たいまつを持って、フォロワーを率いて進む存在です。

私は、甘いかもしれませんが、フォロワーとともに、道なき道を勇気を出して歩んできた結果、達成できたことは、成功と呼ぶにふさわしいのではないかと思います。

また、この成功の先に、副次的に、リーダー自身やフォロワーの成長であったり、影響力の獲得であったりがあると思います。

リーダーの成功の先に何があるのか。人生100年時代を迎えて、旅自体も長いテーマを選べるようにもなっています。また、シリアル・アントレプレナー(連続起業家)のように、人生において何度も旅に出る人も増えてきました。

一度きりの人生ですから、自らが先頭に立って旅に出ること自体も、その旅の結末が成功とまで言えない内容であったとしても、価値があることだと思います。

 

 

※この記事は、2020年8月8日付Facebook投稿を転載したものです。

リーダーシップ往復書簡 043

 

前回に引き続き、リーダーとして向き合わざるを得ない、正しさや倫理観について共に考えたいと思います。

本日は、一般企業の経営理念に該当すると言われているGoogleの「Googleが掲げる10の事実」、その中でも、「悪事を働かなくてもお金は稼げる。」をご紹介したいと思います。

 

悪事を働かなくてもお金は稼げる。

Googleは営利企業です。企業に検索テクノロジーを提供することと、Googleのサイトやその他のウェブサイトに有料広告を掲載することで収益を得ています。世界中の数多くの広告主が AdWordsで商品を宣伝し、数多くのサイト運営者がGoogleのAdSenseプログラムでサイトのコンテンツに関連する広告を配信しています。広告主だけでなく、すべてのユーザーの皆さんにご満足いただくため、Googleでは広告プログラムとその実践について次のような基本理念を掲げています。

検索結果ページには、その内容と関連性のない広告の掲載は認めません。Googleは、広告というものはユーザーが必要としている情報と関連性がある場合にのみ役立つと考えています。そのため、検索結果ページに広告がまったく表示されない場合もあります。

派手な広告でなくても効果は上げられるとGoogleは考えています。ポップアップ広告は邪魔になってユーザーが見たいコンテンツを自由に見られないので、Googleでは許可していません。Google は、閲覧しているユーザーに関連性のあるテキスト広告のほうが、ランダムに掲載される広告よりずっとクリック率が高いことに着目しました。企業の規模には関係なく、あらゆる広告主がこのターゲット広告を利用できます。

Googleが掲載する広告には、スポンサーによる広告リンク(スポンサーリンク)であることを必ず明記しているため、検索結果の完全性が損なわれません。Googleが検索結果のランクに手を加えてパートナー サイトの順位を高めるようなことは絶対にありません。PageRankは、お金で買うことはできません。GoogleのユーザーはGoogleの客観性を信頼しているのであり、その信頼を損なって短期的に収益が増加しても意味がないのです。

 

読者の皆さんは、上記を読まれて、どのように思われたでしょうか?

「悪事を働かなくてもお金は稼げる。」という事実。事実その通りだと思いますが、「強欲さが、正義である」と言われる資本主義社会において、社会性や倫理観をしっかりと持ち続けることは難しいことかもしれません。

しかし、リーダーである以上、易きに流れず、正しいことは何かを常に考え、しっかり自分と向き合わなければならないと思います。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

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【Q.43】
正しさや倫理観など、きれいごとだけでは経営は成り立たないと思いますが、どのように考えていますか?

 

<コメント>

私も過去に企業再生、敵対的買収防衛や危機管理(リスクマネジメント)をしてきましたので、会社経営がきれいごとだけではないことは重々承知しています。

特に、いかんともし難いことは、お金の問題です。いかに正しさや倫理観を説いたとしても、いざという時にお金がなければ、スタッフに給料を出すこともできませんし、取引事業者に代金を支払うこともできません。

しかし、逆説的ではありますが、だからこそ、リーダーたるもの、常日頃から、きれいごとを大事にしなければならないと考えています。

何かあったときに、きれいごとすら言って来ていない人を、誰が助けようと思いますか。

例として新型コロナウイルス感染症を挙げるまでもなく、今の世の中は「VUCA」時代です。何があるか分からないからこそ、きれいごとに価値があるのです。

また、読者の皆さんにどこまでの経験があるかは分かりませんが、人が本当に追い込まれたときに、最後に、どのような意思決定をするか。

私は幾度となく修羅場を見てきたのですが、多くの人は、途中まで足掻いて足掻いて間違いもミスもするのですが、最後は、一回りして、きれいごとに辿り着くのです。

会社経営はきれいごとだけで成り立たないからといって、リーダーがそれを目指さなかったり軽視したりしていいわけではありません。

多くのフォロワーや周囲の協力者は、リーダーの理想を目指して努力する姿に、尊敬や信頼を覚えるのだと思います。

 

 

※この記事は、2020年8月1日付Facebook投稿を転載したものです。

リーダーシップ往復書簡 042

 

前回に引き続き、リーダーとして向き合わざるを得ない、正しさや倫理観について共に考えたいと思います。

リーダーは、フォロワーに対して、正しいことを言わなければなりませんし、正しさや倫理観の基準を示さなければなりません。

しかし、この正しさの伝え方がやっかいなのです。言い方・伝え方を間違えると、正しさは、弱い人に対して、「強すぎる」のです。

私も拙いながらも会社経営の仕事を15年以上させていただいていますが、この点ほど難しいことはないと考えます。

皆さんもご存じのとおり、今の日本社会において、正しいことができなかったり、一般的な倫理観を逸脱した行動をしていたりする人がいたとしたら、それは精神的に追い込まれている人なのです。

その人たちも、さすがに善悪の区別ぐらいついています。それでも、例えばちょっと嘘をついてしまったり、取引事業者にキックバックをすることで有利な条件を引き出したり(もっと過激ならば、粉飾決算や架空取引など。)と、倫理的な面でオーバーランをしてしまうにはしてしまうなりの理由があるわけです。

前述のとおり、もちろんリーダーは、こういった人たちに対しても、しっかりと正しさや倫理観は伝えなければなりませんし、注意もしなければならないと思います。

しかし、表面的に、正しさを伝えても問題解決には繋がらないことが多いです。むしろ、下手をすると、その人を追い込むだけになってしまいます。

平時のように、なぜその人が正しくいられないのか、弱さの根源となる問題解決をしてあげなければなりません。

リーダーが正しいことを言うからには、きれいごとだけではなく、フォロワーの雑多な問題も引き受ける覚悟が必要なのではないかと思います。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

 

【Q.42】
具体的な質問で申し訳ありませんが、上司が、倫理的な観点からも問題ある行動をしています。
これに対して、どのように部下として動くことが望ましいのでしょうか?

 

<コメント>

いただいた質問だと情報が少ないので、前提となる情報がもう少し欲しいところですが、もし私が部下ならば、以下のように動きます。

まず、「問題ある行動」が、継続的なことなのか、過去の1回の出来事なのか、会社に損失が出ているのか、治癒が可能なのか、共謀している人はいるのか、法律を犯しているのかなど、もう少し状況把握・情報分析をする必要があると思います。

そのうえで、その上司を救い出すことができると判断するならば、いつ、どこで、どのように彼と対峙するかを考えます。逆に、社会人・組織人として、救いようのないレベルであれば、内部通報制度や内部監査室など外部組織と連携、もしくは、さらに上の職位の上司に話を持っていって問題解決にあたります。

前者の場合は、その上司が「問題ある行動」がミスで生じていることなのか、悪意を持って行っているのかによって、対応が変わります。

単なるミスであれば、情報を整理して伝えて、教えてあげます。悪意を持った確信犯の場合は、こちらもそれ以上の正義を持って、ぶつからなければならないと思います。そして、なぜこのような選択肢を取らざるを得なかったのか、その背景についても、情報把握に努めたほうがいいと思います。

会社経営とは問題に対峙することです。そのための練習だと思って、真正面から問題と対峙すると良いと思います。

これで上司を真っ当な道に引き戻すことができたならば、それは素晴らしい経験だと思いますし、ご質問いただいた方は自信にしてよいと思います。なかなかの人間力だと思います。

 

 

※この記事は、2020年7月25日付Facebook投稿を転載したものです。