エクセルの出勤表の作り方|無料テンプレート付きで自動計算まで完全解説
「急に出勤表の作成を任されたけど、どこから手を付ければいいかわからない」
「テンプレートを使っているけど、毎月の日付入力や集計に時間がかかりすぎる」
「労働時間の計算式を入れたら#VALUE!エラーが出てしまった」
このような悩みを抱えていませんか。
出勤表の作成って、意外と難しいですよね。特に関数を使った自動計算は、一度エラーが出ると原因を特定するのに時間がかかってしまいます。
特に労働基準法(e-Gov法令検索)で定められた記載項目が欠けていると、労働基準監督署(厚生労働省)の調査時に指摘を受ける可能性もあるため、基本を押さえた出勤表の作成は非常に重要です。
さらに、入力ミスを防ぐバリデーション設定や、エクセル管理の限界を感じたときの次のステップまで網羅しました。
この記事を読めば、エクセル初心者の方でも自社に合った出勤表を作成でき、毎月の集計作業を大幅に効率化できるようになります。
それでは、まずは無料テンプレートから見ていきましょう!
目次
【無料テンプレート付き】エクセルの出勤表の作り方と自動化設定
「今すぐ使える出勤表テンプレートが欲しい」「自社に合わせてカスタマイズしたい」「毎月の入力作業を自動化して効率化したい」——この記事では、エクセルで出勤表を運用するすべての方のニーズにお応えします。
本記事では、ダウンロードしてすぐに使える無料テンプレート3種類を用意しているほか、ゼロから出勤表を作成する方法、日付や曜日の自動表示設定、労働時間・残業時間の自動計算まで、段階的に解説していきます。
エクセル初心者の方でもコピペで使える関数式を掲載しているため、専門知識がなくても実践できる内容となっています。
「急いでいるからテンプレートだけ欲しい」という方は、次のセクションからすぐにダウンロードできますよ!
また、出勤表を運用する中で発生しやすいエラーの解決方法や、入力ミスを防ぐための設定方法、さらにはエクセル管理の限界を感じたときの次のステップまでカバーしています。
ご自身の状況に合わせて、必要なセクションからお読みください。
すぐ使える!無料エクセル出勤表テンプレート3選
出勤表テンプレートは数多く存在しますが、自社の勤務形態や管理項目に合っていないものを選んでしまうと、結局カスタマイズに時間を取られてしまいます。
ここでは、用途別に厳選した3つのテンプレートを紹介します。
固定時間勤務であればシンプルな月間タイプで十分ですが、早番・遅番・夜勤などがある場合はシフト勤務対応タイプが適しています。
また、残業管理が必要な場合は、自動計算機能付きのテンプレートを選ぶことで月末の集計作業を大幅に削減できます。
迷った場合は、まず「シンプル月間タイプ」から始めるのがおすすめです。必要に応じて項目を追加していくアプローチが、最も効率的ですよ。
- シンプル月間タイプ:関数なしで誰でもすぐ使える基本形
- シフト勤務対応タイプ:複数人のシフトを一元管理
- 残業時間自動計算タイプ:労働時間・残業時間を自動集計
シンプル月間タイプ(初心者向け)
シンプル月間タイプは、出勤表の基本形となるテンプレートです。
1か月分の日付が縦に並び、各日の出勤・退勤時刻と休憩時間を記録する最もベーシックな構成となっています。
このテンプレートの特徴は、関数やマクロを使用していないため、エクセルに詳しくない方でもすぐに使い始められる点にあります。
ダウンロード後、従業員名と年月を入力するだけで運用を開始できます。
複雑な機能は不要だけど、紙の出勤簿からエクセルに移行したいという方に最適です!
含まれる項目は、日付、曜日、出勤時刻、退勤時刻、休憩時間、備考欄となっています。
労働時間の計算は手動で行う必要がありますが、その分シンプルで視認性が高く、誰でも直感的に使える設計です。
シフト勤務対応タイプ
シフト勤務対応タイプは、複数の勤務パターンを持つ職場向けに設計されたテンプレートです。
早番、遅番、夜勤、休日などのシフト区分をあらかじめ設定しておくことで、各従業員の勤務予定と実績を一元管理できます。
- 飲食店・小売店
- 介護施設・医療機関
- コールセンター
横軸に日付、縦軸に従業員名を配置したマトリクス形式で、1枚のシートで複数名のシフトを俯瞰できる設計となっています。
主な機能として、シフト区分ごとの色分け表示により、視覚的に勤務状況を把握しやすくなっています。
また、各シフトの出勤者数を自動でカウントする機能も備えているため、人員配置の過不足をすぐに確認できます。
シフト区分は職場の実情に合わせてカスタマイズ可能です。デフォルトの区分(早番、遅番、夜勤、休日、有給)を基本に、自社独自の区分を追加できますよ。
残業時間自動計算タイプ
残業時間自動計算タイプは、出退勤時刻を入力するだけで、実労働時間と残業時間が自動で計算されるテンプレートです。
月末の集計作業に時間を取られている担当者の方には、このタイプが最も業務効率化に貢献します。
このテンプレートには、あらかじめ計算式が組み込まれています。
日々の残業時間は自動集計され、月間の残業時間合計もリアルタイムで確認できます。
特に便利な機能として、深夜勤務(22時〜翌5時)の割増対象時間を別途計算する式も含まれています。
給与計算に必要なデータがそのまま出力されるため、経理部門への連携もスムーズになります。
働き方改革による時間外労働の上限規制については、厚生労働省の働き方改革特設サイトで詳細を確認できます。
また、労働基準法(e-Gov法令検索)では、法定労働時間や36協定に関する規定が定められています。
残業時間の把握は法令遵守の観点からも非常に重要です。このテンプレートを活用して、適切な労務管理を行いましょう!
エクセルで出勤表を作る基本設定|日付・曜日の自動表示
テンプレートをそのまま使うのではなく、自社の運用に合わせてカスタマイズしたい、あるいはゼロから出勤表を作成したいという方も多いでしょう。
出勤表を自作する際、最初に設定すべきなのが日付と曜日の自動表示機能です。
毎月、1日から月末までの日付を手入力し、さらに曜日を確認しながら入力するのは非常に手間がかかります。
月によって28日、30日、31日と日数が異なるため、入力ミスも発生しやすくなります。
毎月の日付入力、地味に時間かかりますよね…。関数を使えばこの作業から解放されます!
しかし、エクセルの関数を活用すれば、年と月を1か所変更するだけで、その月の日付と曜日が自動的に表示される仕組みを作ることができます。
この設定を最初に行っておけば、翌月以降の出勤表作成にかかる時間を大幅に短縮できます。
以下では、具体的な関数の書き方とコピペで使える式を紹介していきます。
年月入力で日付を自動生成する関数設定
日付を自動生成するには、DATE関数とEOMONTH関数を組み合わせて使用します。
まず、出勤表のヘッダー部分に年と月を入力するセルを用意し、そこから各日の日付を自動計算させる仕組みを構築します。
📝 基準セルの設定方法
セルB1に「年」、セルD1に「月」と入力し、セルC1に西暦年(例:2024)、セルE1に月(例:4)を入力できるようにします。
これが日付生成の基準となるセルです。
次に、1日目の日付を表示するセル(例:A5)に以下の関数を入力します。
=DATE(C1,E1,1)
この関数は、C1セルの年とE1セルの月から、その月の1日の日付を生成します。
DATE関数の書式は「DATE(年,月,日)」となっており、3つの引数を指定することで任意の日付を作成できます。
DATE関数はエクセルの日付操作の基本!覚えておくと様々な場面で役立ちます。
2日目以降の日付は、1日目のセルに1を加算していきます。
A6セルには以下の式を入力します。
=A5+1
この式をA35セル(31日分)までコピーすれば、1日から31日までの日付が自動表示されます。
月末の処理を正確に行うには、EOMONTH関数を使用します。
EOMONTH関数は、指定した月の最終日を返す関数です。
以下の式を使えば、その月に存在しない日付を非表示にできます。
=IF(A5=””,””,IF(A5+1>EOMONTH(DATE(C1,E1,1),0),””,A5+1))
この式は、前のセルの日付に1を加えた結果がその月の最終日を超える場合は空白を返し、超えない場合は日付を表示するという条件分岐を行っています。
EOMONTH関数の第2引数に0を指定すると、基準日と同じ月の最終日が返されます。
この関数をA6以降にコピペすれば、2月は28日(うるう年は29日)、4月は30日で自動的に止まります!
より実践的な設定として、月が変わっても常に正しい日付が表示されるよう、各セルに条件付きの式を設定する方法もあります。
A5セルに1日目の日付を入れ、A6セル以降には条件付きの式を入れることで、月末日を超えた行は自動的に空白になります。
曜日を自動表示するTEXT関数の使い方
日付セルから曜日を自動表示するには、TEXT関数を使用します。
TEXT関数は、数値や日付を指定した書式の文字列に変換する関数で、曜日表示においては非常に便利な機能です。
TEXT関数の基本的な書式は「TEXT(値,表示形式)」です。
曜日を表示する場合、日付が入力されているセルを参照し、表示形式に曜日の書式コードを指定します。
日本語で曜日を表示する場合、以下のような書式コードを使用します。
セルB5に曜日を表示し、A5セルに日付が入力されているとすると、B5セルには次の式を入力します。
=TEXT(A5,”aaa”)
この式により、「月」「火」「水」のように曜日が1文字で表示されます。
表示形式の「aaa」は、日本語の曜日を1文字で表示する書式コードです。
| 書式コード | 表示例 | 用途 |
|---|---|---|
| aaa | 月、火、水 | 日本語1文字(推奨) |
| aaaa | 月曜日、火曜日 | 日本語フル表示 |
| ddd | Mon、Tue、Wed | 英語短縮 |
| dddd | Monday、Tuesday | 英語フル表示 |
出勤表では省スペースの「aaa」が定番です。外国人スタッフがいる職場なら「ddd」も検討してみてください。
出勤表では視認性と省スペースの観点から「aaa」(1文字表示)を使用することが一般的です。
ただし、外国人従業員がいる職場や、海外拠点と共有する出勤表では「ddd」や「dddd」を使用することも検討してください。
以下の式のようにIF関数と組み合わせることで、日付が入力されていない行では曜日も空白になります。
=IF(A5=””,””,TEXT(A5,”aaa”))
この式は、A5セルが空白であれば空白を返し、日付が入力されていればその曜日を表示します。
月によって日数が異なるため、この処理を入れておくことで29日以降の行でエラー表示を防げます。
土日祝日を自動で色分けする条件付き書式
出勤表の視認性を高めるために、土曜日は青色、日曜日と祝日は赤色で表示する設定を行いましょう。
条件付き書式を使用すれば、日付に応じて自動的にセルの色が変わる仕組みを構築できます。
まず、土曜日と日曜日の色分けから設定します。
土曜日を判定するにはWEEKDAY関数を使用します。
WEEKDAY関数は、日付に対応する曜日を1から7の数値で返す関数です。
デフォルトの設定では、日曜日が1、月曜日が2、土曜日が7となります。
色分けしたいセル範囲(例:A5:G35)を選択します。
「ホーム」タブの「条件付き書式」から「新しいルール」を選択します。
「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選び、数式を入力します。
「書式」ボタンをクリックし、塗りつぶしタブで色を選択して「OK」をクリックします。
=WEEKDAY($A5)=7
この数式は「A列の日付が土曜日(7)である場合」という条件を表しています。
$Aのようにドル記号を列にのみ付けることで、行が変わっても常にA列の日付を参照するよう固定しています。
日曜日の設定も同様の手順で行います。
=WEEKDAY($A5)=1
土日の色分けだけでも出勤表の見やすさがグッと上がりますよ!
祝日の色分けは少し複雑になります。
祝日は毎年日付が異なるため、別シートに祝日リストを作成し、そのリストを参照する仕組みが必要です。
📝 祝日リストの作成方法
新しいシートを追加し「祝日」という名前を付けます。
A列に該当年度の祝日の日付を入力していきます。
内閣府「国民の祝日について」では「国民の祝日」の一覧が公開されているため、そちらを参考に入力してください。
祝日リストを作成したら、その範囲に名前を定義します。
祝日の日付が入力されたセル範囲(例:祝日シートのA1:A20)を選択し、「数式」タブの「名前の定義」をクリックします。
名前を「祝日リスト」として登録します。
メインの出勤表シートに戻り、条件付き書式の新しいルールを追加します。
=COUNTIF(祝日リスト,$A5)>0
この数式は、「A列の日付が祝日リストに含まれている場合」という条件を表しています。
COUNTIF関数で祝日リスト内に該当の日付が何件あるかをカウントし、1件以上あれば祝日と判定します。
書式は日曜日と同じ赤色に設定するのが一般的です。
祝日が土曜日に重なった場合に赤色で表示したい場合は、祝日のルールを土曜日のルールより上に配置してください。
「条件付き書式ルールの管理」から順序を変更できます。
これで土日祝の自動色分けが完成です!年度が変わったら祝日リストを更新するのをお忘れなく。
労働時間・残業時間をエクセルで自動計算する方法
出勤表の最も重要な機能の一つが、労働時間と残業時間の自動計算です。
毎日の出退勤時刻を入力するたびに電卓を叩いて計算していては、時間がかかるだけでなくミスも発生しやすくなります。
エクセルの計算式を設定しておけば、時刻を入力した瞬間に労働時間が算出され、月末の集計作業も自動化できます。
労働時間の計算って、単純に「退勤−出勤」だけじゃダメなの?
労働時間の計算は一見シンプルに思えますが、実際に設定しようとするとさまざまな課題に直面します。
休憩時間の控除、深夜勤務で日付をまたぐケースの処理、月間合計が24時間を超えた場合の表示形式など、考慮すべきポイントが複数あります。
このセクションでは、基本的な労働時間の計算式から、深夜勤務の対応、月間の残業時間集計まで、段階的に解説していきます。
すべての式はコピペで使用できるよう具体的に記載していますので、ご自身の出勤表にそのまま適用してください。
出退勤時刻から労働時間を計算する基本式
労働時間を計算する基本式は「退勤時刻−出勤時刻−休憩時間」です。
この計算を正しく行うためには、エクセルが時刻をどのように扱っているかを理解しておく必要があります。
📝 エクセルの時刻管理の仕組み
エクセルでは、時刻は「シリアル値」という数値で管理されています。
1日を1として、時刻はその小数部分で表現されます。
例えば、12:00(正午)は0.5、6:00は0.25、18:00は0.75となります。
このシリアル値の仕組みにより、時刻同士の引き算が可能になっています。
具体的な計算式の設定方法を説明します。
出勤表の列構成として、C列に出勤時刻、D列に退勤時刻、E列に休憩時間、F列に労働時間を配置するとします。
F5セルに労働時間を計算する式を入力します。
=D5-C5-E5
この式は、退勤時刻から出勤時刻を引き、さらに休憩時間を差し引くことで実労働時間を算出しています。
例えば、出勤9:00、退勤18:00、休憩1:00の場合、18:00−9:00−1:00=8:00となり、8時間の労働時間が表示されます。
計算結果が正しく表示されない場合は、セルの書式設定を確認してみてください!
計算結果を正しく表示するためには、セルの表示形式を時刻形式に設定する必要があります。
F列を選択し、右クリックから「セルの書式設定」を開きます。
「表示形式」タブで「時刻」を選択するか、「ユーザー定義」で「h:mm」と入力します。
分数で入力する場合は、計算式を以下のように変更します。
=D5-C5-E5/1440
1440は1日の分数(24時間×60分)です。
分数を1440で割ることでシリアル値に変換しています。
どちらの方法を採用するかは運用のしやすさで決めてください。
時刻形式のほうが直感的ですが、分数のほうが入力が簡単という意見もあります。
入力漏れがある場合にエラーを防ぐため、IF関数を組み合わせた式も有効です。
以下の式では、出勤時刻または退勤時刻が空白の場合は計算を行わず、空白を返します。
=IF(OR(C5=””,D5=””),””,D5-C5-E5)
OR関数は複数の条件のいずれかが真の場合に真を返す関数です。
この式により、データが揃っている行のみ労働時間が計算され、未入力の行ではエラー表示を防げます。
深夜勤務(24時跨ぎ)の計算方法
飲食店、ホテル、医療機関、介護施設など、24時間営業や夜勤がある職場では、退勤時刻が翌日になるケースが頻繁に発生します。
例えば、22:00に出勤して翌朝6:00に退勤する場合、単純に引き算すると「6:00−22:00=−16:00」とマイナスの値になってしまいます。
夜勤がある職場では、この「日付跨ぎ問題」は必ず対応が必要ですね!
この問題を解決するには、IF関数を使って日付をまたぐケースを判定し、計算式を分岐させる必要があります。
退勤時刻が出勤時刻より小さい場合は翌日と判断し、1日分(24時間)を加算して計算します。
=IF(D5<C5,D5+1-C5-E5,D5-C5-E5)
この式の仕組みを詳しく説明します。
IF関数の条件部分「D5<C5」は、退勤時刻が出勤時刻より小さいかどうかを判定しています。
退勤時刻のほうが小さい場合(例:退勤6:00、出勤22:00)は日付をまたいでいると判断し、「D5+1」として1日分を加算してから計算します。
退勤時刻のほうが大きい場合は通常どおりの計算を行います。
📝 具体例で確認
出勤22:00、退勤翌6:00、休憩1:00の場合を計算します。
D5(6:00)はC5(22:00)より小さいため、IF関数の条件は真となります。
計算は「6:00+24:00−22:00−1:00=7:00」となり、正しく7時間の労働時間が算出されます。
さらに入力漏れにも対応した完全版の式は以下のようになります。
=IF(OR(C5=””,D5=””),””,IF(D5<C5,D5+1-C5-E5,D5-C5-E5))
深夜勤務の割増賃金を計算する必要がある場合は、22:00から翌5:00までの深夜時間帯を別途算出する式も設定しておくと便利です。
深夜時間帯の計算はやや複雑になるため、以下のような考え方で式を構築します。
深夜時間帯(22:00〜5:00)の労働時間を算出するには、出退勤時刻と深夜時間帯の重複部分を計算します。
この計算にはMAX関数とMIN関数を組み合わせて使用します。
=MAX(0,MIN(D5+IF(D5<C5,1,0),”5:00″+1)-MAX(C5,”22:00″))-休憩時間の深夜分
深夜割増の計算は複雑なので、給与計算ソフトの導入も選択肢の一つですよ!
ただし、深夜割増の計算は法的な解釈も含めて複雑になるため、給与計算ソフトや勤怠管理システムの導入も検討する価値があります。
基本的な出勤表としては、通常の労働時間が正しく計算できれば十分な場合も多いでしょう。
月間合計・残業時間の自動集計
日々の労働時間を集計し、月間の合計労働時間と残業時間を自動計算する仕組みを設定しましょう。
この設定により、月末に電卓を叩いて集計する作業が不要になり、リアルタイムで残業時間を把握できるようになります。
月間の労働時間合計を算出するには、SUM関数を使用します。
労働時間が入力されているF列の合計を計算する式は以下のとおりです。
=SUM(F5:F35)
この式をF37セルなど集計用のセルに入力すれば、その月の総労働時間が自動計算されます。
例えば、月間労働時間が160時間の場合、通常の表示形式では「16:00」と表示されてしまいます。
これはエクセルが24時間を超えた部分を翌日として解釈し、時刻部分のみを表示しているためです。
「あれ?合計時間がおかしい」と思ったら、表示形式を確認してみてください!
この問題を解決するには、セルの表示形式を「[h]:mm」に変更します。
角括弧で囲んだ[h]は、24時間を超えても累積時間として表示する書式コードです。
該当セルを選択し、右クリックから「セルの書式設定」を開きます。
「表示形式」タブで「ユーザー定義」を選択します。
種類欄に「[h]:mm」と入力して「OK」をクリックします。
残業時間を自動計算するには、所定労働時間を定義したうえで、実労働時間との差分を算出します。
例えば、月の所定労働時間を160時間(1日8時間×20日)とした場合、月間合計からこの所定時間を引いた値が残業時間となります。
所定労働時間をセル(例:H1)に入力しておき、残業時間を計算するセルに以下の式を入力します。
=MAX(0,SUM(F5:F35)-H1)
MAX関数を使用している理由は、労働時間が所定時間に満たない場合にマイナス表示になることを防ぐためです。
MAX(0,計算結果)とすることで、計算結果が負の値になっても0が表示されます。
日ごとの残業時間を算出したい場合は、各行に残業時間の列を追加します。
1日の所定労働時間を8時間とした場合、G列に以下の式を入力します。
=MAX(0,F5-“8:00”)
この式により、1日の労働時間が8時間を超えた分だけが残業時間として表示されます。
8時間以下の日は0と表示されます。
📝 法定労働時間と所定労働時間の違い
法定労働時間は労働基準法(e-Gov法令検索)で定められた1日8時間、週40時間の上限であり、これを超えると割増賃金が発生します。
所定労働時間は会社が定める労働時間で、法定労働時間以下で設定されている場合もあります。
残業時間の計算がどちらを基準にするかは、会社の就業規則や給与計算の方針によって異なります。
残業時間の集計セルにも「[h]:mm」の表示形式を適用することを忘れないでください!
残業時間が24時間を超える月も十分にあり得るため、この設定をしておかないと正確な残業時間が把握できません。
エクセルの出勤表でよくあるエラーと解決法
出勤表を自作して運用を始めると、さまざまなエラーや予期しない計算結果に遭遇することがあります。
「#VALUE!」というエラーメッセージが表示される、労働時間がマイナスになってしまう、月間の合計時間が明らかにおかしい——こうした問題に直面すると、どこから手を付けてよいかわからず途方に暮れてしまうものです。
しかし、エクセルの出勤表で発生するエラーのほとんどは、いくつかの典型的なパターンに分類できます。
原因を正しく特定できれば、修正自体は難しくありません。
エラーが出ると焦りますが、落ち着いて原因を探れば必ず解決できますよ!
このセクションでは、出勤表でよく発生する3つの代表的な問題について、原因の特定方法と具体的な解決策を詳しく解説します。
焦らずに一つひとつ確認していきましょう。
「#VALUE!」エラーの原因と対処法
「#VALUE!」エラーは、エクセルの出勤表で最も頻繁に遭遇するエラーの一つです。
このエラーは、計算式が期待するデータ型と、実際にセルに入力されているデータ型が一致しない場合に発生します。
時刻計算を行う出勤表では、特に発生しやすいエラーといえます。
- 時刻として認識できない文字列の混入
- 空白に見えるが実際には空白でないセル
- 表示形式と実際の値の不一致
- 計算式内での参照エラー
📝 原因1:時刻として認識できない文字列の混入
出勤時刻のセルに「9時」や「9:00出勤」のように文字を含めて入力すると、エクセルはそれを時刻として認識できません。
時刻セルには「9:00」のように、数字とコロンのみで入力する必要があります。
全角数字で「9:00」と入力した場合も文字列として扱われるため、必ず半角で入力してください。
「9:00」と入力したつもりが「9:00」(全角コロン)になっていた…というケースも多いです!
【対処法】エラーが出ているセルの参照元(出勤時刻や退勤時刻のセル)を確認し、不要な文字が混入していないかチェックします。
文字が含まれている場合は、正しい時刻形式で再入力してください。
📝 原因2:空白に見えるが実際には空白でないセル
他のシステムからデータをコピーした場合や、スペースキーを押してしまった場合に、見た目は空白でも実際には文字(スペースや改行コード)が入力されていることがあります。
【対処法】問題のセルを選択してDeleteキーを押し、内容を完全にクリアしてから必要に応じて再入力します。
また、TRIM関数を使って前後のスペースを削除する方法もあります。
📝 原因3:表示形式と実際の値の不一致
セルの表示形式が時刻に設定されていても、実際に入力されている値が数値や文字列の場合、計算時にエラーが発生することがあります。
【対処法】問題のセルを選択し、数式バーに表示される実際の値を確認します。
表示形式を「標準」に変更してみると、実際に何が入力されているかを確認しやすくなります。
📝 原因4:計算式内での参照エラー
計算式が参照しているセルが削除されたり、行や列の挿入によって参照がずれたりした場合にも#VALUE!エラーが発生することがあります。
【対処法】エラーが出ているセルをクリックし、数式バーで式の内容を確認します。
参照先のセルが正しいか、存在するセルを参照しているかを確認してください。
この設定方法については、後述の「入力ミスを防ぐエクセルの出勤表の工夫」セクションで詳しく解説します。
IFERROR関数を使えば、エラーの原因特定がグッと楽になりますよ!
エラーの原因を特定するためのテクニックとして、IFERROR関数を活用する方法があります。
以下のように式を修正すると、エラーが発生した場合に任意のメッセージを表示できます。
=IFERROR(D5-C5-E5,”入力を確認”)
この式では、計算が正常に行われれば結果を表示し、エラーが発生した場合は「入力を確認」というメッセージを表示します。
これにより、どの行で問題が発生しているかを一目で把握できるようになります。
労働時間がマイナスになる場合の修正方法
労働時間の計算結果がマイナスになる問題は、出勤表を運用する中で非常によく発生します。
エクセル上では「−8:00」のように表示されたり、「########」という記号の羅列で表示されたりすることがあります。
この問題の原因を理解し、適切に対処することで正しい労働時間を算出できるようになります。
- 深夜勤務で日付をまたいでいる
- 出勤時刻と退勤時刻が逆に入力されている
- 休憩時間の入力形式の不一致
📝 原因1:深夜勤務で日付をまたいでいるケース
マイナス表示になる最も一般的な原因は、深夜勤務で日付をまたいでいるケースです。
例えば、22:00に出勤して翌朝6:00に退勤した場合、単純な引き算「6:00−22:00」ではマイナス16時間という結果になります。
エクセルは、退勤時刻の「6:00」が同日の午前6時であると解釈するため、出勤時刻より前の時刻として計算してしまうのです。
夜勤のあるシフト制の職場では、この問題が頻発しますね…
【解決策】前のセクションで紹介したIF関数を使った日付跨ぎ対応の式を使用します。
=IF(D5<C5,D5+1-C5-E5,D5-C5-E5)
この式を使えば、退勤時刻が出勤時刻より小さい場合(日付をまたいでいる場合)に自動的に1日分を加算して計算するため、正しい労働時間が算出されます。
📝 原因2:出勤時刻と退勤時刻が逆に入力されている
本来、出勤時刻のセルに退勤時刻を、退勤時刻のセルに出勤時刻を入力してしまうと、計算結果がマイナスになります。
このような入力ミスは、急いでいるときや複数人分のデータを一度に入力しているときに発生しやすいものです。
【対処法】マイナスになっている行の出勤・退勤時刻を目視で確認し、逆転している場合は正しい値に修正します。
根本的な対策としては、入力規則を設定して退勤時刻が出勤時刻より前の値(日勤の場合)にならないよう制限をかける方法があります。
📝 原因3:休憩時間の入力形式の不一致
休憩時間を「60」(分)で入力することを想定した式に対して、「1:00」(時刻形式)で入力すると、計算結果が大きくずれてマイナスになることがあります。
休憩時間の入力ルールが統一されていないと、トラブルの元になります!
例えば、休憩時間に「1:00」と入力すると、エクセルはこれをシリアル値で約0.0417(1/24)として扱います。
一方、「60」と入力すると、そのまま60という数値として扱われます。
計算式が「−E5/1440」となっている場合、「60」の入力を想定しているため、「1:00」を入力すると正しく計算できません。
【対処法】休憩時間の入力形式を統一します。
| 入力形式 | 計算式 |
|---|---|
| 時刻形式(1:00) | −E5 |
| 分数(60) | −E5/1440 |
どちらの形式で入力すべきかを出勤表上に明記しておくと、入力者による形式のばらつきを防げます。
列幅を広げることで実際の値を確認できますが、根本的にはマイナスにならないよう計算式を修正する必要があります。
ABS関数で絶対値を取る方法もありますが、これはおすすめしません…
マイナス表示を防ぐ応急処置として、ABS関数で絶対値を取る方法もありますが、これは推奨しません。
計算式が間違っている場合でもエラーが表面化しなくなり、気づかないまま誤った労働時間を記録し続けてしまう恐れがあるためです。
原因を特定して正しく修正することが重要です。
合計時間が24時間以上表示されない問題の解決
月間の労働時間を集計したとき、合計が「160:00」となるべきところが「16:00」と表示されてしまう——この問題は、エクセルで出勤表を作成した多くの方が経験する典型的なトラブルです。
原因はセルの表示形式にあり、適切な設定に変更することで解決できます。
「あれ?今月こんなに労働時間が少ないはずない…」と思ったら、表示形式を疑ってください!
📝 問題が発生するメカニズム
この問題が発生するメカニズムを理解するには、エクセルの時刻の扱い方を知る必要があります。
エクセルでは、時刻はシリアル値という数値で管理されており、1日(24時間)を1として表現しています。
12:00は0.5、6:00は0.25というように、24時間を基準とした小数で時刻を表しています。
標準の時刻表示形式(h:mm)は、シリアル値の小数部分のみを時刻として表示します。
つまり、160時間(シリアル値で約6.67)の場合、整数部分の6(6日分=144時間)は無視され、小数部分の0.67(約16時間)だけが表示されてしまうのです。
角括弧で囲んだ[h]は、24時間を超えても累積時間として表示する特殊な書式コードです。
月間の労働時間合計など、24時間を超える可能性のあるセルをクリックします。
右クリックして「セルの書式設定」を選択します。ショートカットキー「Ctrl+1」でも開けます。
「表示形式」タブで「ユーザー定義」を選択します。
「種類」の入力欄に[h]:mmと入力し、「OK」をクリックします。
この設定により、160時間は「160:00」と正しく表示されるようになります。
同様に、残業時間の合計セルや、週間の労働時間合計セルなど、24時間を超える可能性のあるすべてのセルにこの表示形式を適用してください。
一度設定してしまえば、翌月以降も自動的に正しく表示されますよ!
- [h]:mm:ss:秒まで表示したい場合
- [h].00:時間を小数で表示したい場合
- [h]:分を省略して時間のみ表示
分まで含めた詳細な表示が必要ない場合は、「[h]」のみを指定することもできます。
この場合、160時間30分は「161」(時間の整数部分のみ、30分は切り上げまたは切り捨て)として表示されます。
通常は「[h]:mm」を使用することで、分単位まで正確に把握できます。
給与計算で時間を小数(例:8.5時間)で扱う必要がある場合は、別のセルで「=合計時間セル*24」という計算を行い、表示形式を「0.00」にすることで小数表示に変換できます。
また、Ctrl+1のショートカットキーを使えば、セルの書式設定ダイアログを素早く開くことができます。
この表示形式の問題は、SUM関数で日ごとの労働時間を合計しているセルだけでなく、SUMIF関数で特定の条件に合致する時間を合計しているセルでも同様に発生します。
条件付き集計を行っている場合も、忘れずに「[h]:mm」形式を適用してください。
入力ミスを防ぐエクセルの出勤表の工夫
出勤表の運用において、最も頭を悩ませるのがヒューマンエラーへの対応です。
時刻の入力ミス、勤務区分の表記揺れ、誤った値の入力——こうしたミスは、集計結果の誤りや給与計算のトラブルにつながる可能性があります。
特に複数の従業員が直接入力する運用形態では、入力者によってデータの品質にばらつきが生じやすくなります。
「出勤」と「○」が混在していて、集計のたびに手作業で修正している……そんな経験はありませんか?
エクセルには、入力段階でミスを防止するための機能が複数用意されています。
ドロップダウンリストによる選択式入力、入力規則によるバリデーション(値の検証)などを活用すれば、そもそも不正な値が入力できない仕組みを構築できます。
このセクションでは、出勤表の信頼性を高めるための具体的な設定方法を解説します。
これらの設定を施しておけば、誰が入力しても一定の品質が保たれ、後からのデータ修正や確認作業の手間を大幅に削減できます。
ドロップダウンリストで勤務区分を選択式にする
勤務区分の入力において、「出勤」「出」「○」「しゅっきん」など、同じ意味でも表記が揺れてしまうと、集計や分析の際に正しくカウントできなくなります。
ドロップダウンリストを設定して選択式にすることで、表記を統一し、入力の手間も省くことができます。
リストから選ぶだけなので、入力スピードも上がりますよ!
📝 ドロップダウンリストの設定手順
勤務区分を入力するセル範囲を選択します。
例えば、G列が勤務区分の列で、G5からG35までが入力範囲であれば、この範囲を選択します。
「データ」タブの「データの入力規則」をクリックします。
エクセルのバージョンによっては「データの入力規則」が「データツール」グループ内にある場合もあります。
「データの入力規則」ダイアログが開いたら、「設定」タブの「入力値の種類」で「リスト」を選択します。
「元の値」欄に、選択肢として表示したい項目をカンマ区切りで入力します。
出勤,欠勤,有給,早退,遅刻,休日,代休,特休
「ドロップダウンリストから選択する」にチェックが入っていることを確認し、「OK」をクリックします。
これで、設定したセル範囲にドロップダウンリストが表示されるようになります。
セルを選択すると右側に▼ボタンが表示され、クリックするとリストから項目を選択できます。
キーボードで直接入力することも可能ですが、リストにない値を入力しようとするとエラーメッセージが表示されます。
別シートでリストを管理する方法
選択肢の数が多い場合や、複数のシートで同じリストを使いたい場合は、別シートにリストの項目を作成し、その範囲を参照する方法が便利です。
リストの追加・変更があった場合も、1か所を修正するだけで全シートに反映されるので管理が楽になります!
「設定」という名前のシートを作成し、A列に勤務区分の一覧を入力します。
| セル | 入力値 |
|---|---|
| A1 | 出勤 |
| A2 | 欠勤 |
| A3 | 有給 |
| A4 | 早退 |
| A5 | 遅刻 |
| A6 | 休日 |
| A7 | 代休 |
| A8 | 特休 |
A1からA8を選択し、「数式」タブの「名前の定義」をクリックします。
名前を「勤務区分リスト」として登録します。
メインの出勤表シートに戻り、データの入力規則を設定する際、「元の値」欄に以下のように入力します。
=勤務区分リスト
入力メッセージとエラーメッセージの設定
さらに使いやすくするための工夫として、入力メッセージとエラーメッセージを設定できます。
「データの入力規則」ダイアログの「入力時メッセージ」タブで、セル選択時に表示するガイダンスを設定できます。
タイトルに「勤務区分」、メッセージに「リストから選択してください」などと入力しておくと、入力者にとってわかりやすくなります。
「エラーメッセージ」タブでは、リストにない値が入力された際のメッセージをカスタマイズできます。
厳密な管理が必要な場合は「停止」を選択しましょう。入力ミスを確実に防げます!
時刻入力のバリデーション設定
出勤時刻や退勤時刻の入力欄に、明らかに誤った値が入力されることを防ぐには、入力規則によるバリデーション(値の検証)設定が効果的です。
0:00から23:59の範囲外の値や、時刻として認識できない文字列が入力された場合にエラーを表示する仕組みを構築しましょう。
「25:00」や「abc」のような明らかな入力ミスを、その場でブロックできるようになります!
📝 時刻のバリデーション設定手順
出勤時刻を入力するセル範囲(例:C5:C35)を選択します。
「データ」タブの「データの入力規則」をクリックします。
「設定」タブで「入力値の種類」を「時刻」に設定します。
「データ」を「次の値の間」に設定し、「開始時刻」に「0:00」、「終了時刻」に「23:59」と入力します。
同様の設定を退勤時刻の列(例:D5:D35)にも適用します。
深夜勤務で翌日の時刻を入力する場合も、時刻そのものは0:00から23:59の範囲内となるため、この設定で問題ありません。
より細かい時刻制限を設定する方法
より細かい制御が必要な場合は、「ユーザー設定」を使用してカスタムの検証式を設定できます。
例えば、出勤時刻として現実的な範囲(6:00から22:00など)に限定したい場合は以下のように設定します。
- 入力値の種類:「ユーザー設定」を選択
- 数式欄:=AND(C5>=TIME(6,0,0),C5<=TIME(22,0,0))
この式は、C5セルの値が6:00以上かつ22:00以下である場合に真を返します。
TIME関数は、時・分・秒を指定して時刻のシリアル値を生成する関数です。
退勤時刻が出勤時刻より後であることを検証する
日勤のみの職場で、退勤時刻が出勤時刻より後であることを検証したい場合は、以下のような式を退勤時刻のセルに設定できます。
=D5>C5
この式は、退勤時刻(D5)が出勤時刻(C5)より大きい場合に真を返します。
深夜勤務がある職場では、退勤時刻が出勤時刻より小さくなることがあるため、この検証は適用しないでくださいね。
入力時のヒントとエラーメッセージを設定する
入力時のヒントとして、「入力時メッセージ」タブでガイダンスを設定することをおすすめします。
| 設定項目 | 入力例 |
|---|---|
| タイトル | 時刻入力 |
| メッセージ | 半角で「9:00」のように入力してください |
「エラーメッセージ」タブでは、不正な値が入力された際のメッセージをカスタマイズします。
| 設定項目 | 入力例 |
|---|---|
| タイトル | 入力エラー |
| メッセージ | 0:00~23:59の範囲で、半角数字とコロンを使用して入力してください(例:9:00) |
このように設定しておくと、入力者が何を修正すべきか理解しやすくなります。
全角数字で入力されてしまうケースへの対策
全角数字で入力されてしまうケースへの対策として、実務上よく使われる方法を紹介します。
入力規則だけでは全角・半角の判別は難しいため、別の列にTEXT関数やVALUE関数を使って変換・検証を行う方法があります。
=IF(C5=””,””,IF(ISNUMBER(C5),”OK”,”形式エラー”))
この式は、セルが空白なら空白を返し、数値(時刻はシリアル値なので数値として認識される)であれば「OK」を、そうでなければ「形式エラー」を返します。
この列を定期的に確認することで、不正な入力を早期に発見できます。
条件付き書式と組み合わせて、形式エラーのセルを赤色でハイライトするのも効果的です!
これにより、入力ミスのあるセルが視覚的に目立つようになり、修正漏れを防げます。
出勤表・勤務表・シフト表の違いと必要項目
「出勤表」「勤務表」「シフト表」——これらの言葉は日常的に混同されて使われることが多いですが、本来それぞれ異なる目的と役割を持っています。
自社に必要な表がどれなのかを正しく理解していないと、作成した表が実務に合わず、作り直しが必要になることもあります。
このセクションでは、3つの表の違いを明確に整理したうえで、法令遵守の観点から出勤表に記載すべき必須項目を解説します。
自社の勤務形態と法的要件の両方を踏まえて、適切な出勤表を設計してください。
各表の使い分けと特徴
出勤表、勤務表、シフト表は、それぞれ作成のタイミングと目的が異なります。
これらの違いを理解することで、自社に必要な表の種類と、それに含めるべき項目が明確になります。
「出勤表」「勤務表」「シフト表」は似ているようで、実は役割が全く違うんです。まずはそれぞれの特徴を整理しましょう!
| 種類 | 作成タイミング | 主な目的 |
|---|---|---|
| 出勤表(出勤簿) | 事後 | 勤務実績の記録・法定帳簿 |
| 勤務表 | 事前 | 勤務予定の管理・人員配置計画 |
| シフト表 | 事前 | 交代制勤務のパターン割り当て |
📝 出勤表(出勤簿)とは
出勤表は、従業員の勤務実績を記録するための表です。
「出勤簿」と呼ばれることもあります。
作成タイミングは事後であり、実際に勤務した日時、出退勤時刻、休憩時間、労働時間などを記録します。
主な目的は、労働時間の管理、給与計算の基礎資料、法定帳簿としての保存です。
すべての事業所で作成が必要であり、労働基準法(e-Gov法令検索)上、5年間(当分の間は3年間)の保存義務があります。
📝 勤務表(勤務予定表)とは
勤務表は、従業員の勤務予定を管理するための表です。
「勤務予定表」「ワークスケジュール」とも呼ばれます。
作成タイミングは事前であり、誰がいつ働くかを計画・調整するために使用します。
主な目的は、人員配置の計画、業務の割り当て、従業員への勤務日通知です。
特に固定時間勤務の職場では、年間カレンダーや月間予定表として作成されることが多いです。
📝 シフト表とは
シフト表は、交代制勤務における勤務パターンの割り当てを管理するための表です。
作成タイミングは事前であり、早番・遅番・夜勤などの勤務シフトを従業員に割り振る際に使用します。
主な目的は、複数の勤務時間帯がある職場での人員配置最適化、従業員の希望休や公平性の考慮です。
飲食店、小売店、医療機関、介護施設、工場など、営業時間が長い、または24時間稼働の職場で必要となります。
シフト勤務のある職場では、事前にシフト表で予定を組み、実際の勤務後に出勤表で実績を記録するという流れになります。
職場の特性によって、必要な表の組み合わせは変わります。自社に合った運用を考えてみましょう!
- 固定時間勤務の職場:簡易的な勤務カレンダー+出勤表
- シフト勤務がある職場:シフト表+出勤表(両方必要)
エクセルで管理する場合、勤務表(またはシフト表)と出勤表を別シートとして作成し、1つのブックにまとめる方法が一般的です。
これにより、予定と実績の比較が容易になり、管理効率が向上します。
法的に必要な5つの記載項目
出勤表は、労働基準法(e-Gov法令検索)で作成・保存が義務付けられている法定帳簿の一つです。
労働基準法第109条では、「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない」と定められています。
出勤表(出勤簿)は、この「労働関係に関する重要な書類」に該当します。
法定帳簿として必要な項目をしっかり押さえておきましょう。記載漏れがあると、労基署の調査で指摘を受ける可能性があります!
法令遵守の観点から、出勤表には以下の5つの項目を必ず記載してください。
これらの項目は、労働基準法施行規則(e-Gov法令検索)第54条で賃金台帳の記載事項として定められているものであり、出勤表にもこれらの情報を記録しておく必要があります。
| 必須項目 | 記載内容 |
|---|---|
| ①労働者の氏名 | 誰の勤務記録であるかを明確にする |
| ②労働日(出勤日) | 勤務した日付・休日・有給・欠勤の区分 |
| ③始業時刻 | 実際に業務を開始した時刻 |
| ④終業時刻 | 実際に業務を終了した時刻 |
| ⑤休憩時間 | 勤務中に取得した休憩時間 |
これら5つの項目に加えて、実務上は以下の項目も記載しておくことをおすすめします。
- 労働時間:始業から終業までの時間から休憩時間を差し引いた実労働時間(給与計算や残業管理に便利)
- 時間外労働時間(残業時間):法定労働時間または所定労働時間を超えて労働した時間(36協定の上限時間管理や割増賃金の計算に必要)
- 深夜労働時間:22時から翌5時までの時間帯に労働した時間(深夜割増賃金25%以上の計算に必要)
- 休日労働の有無:法定休日または所定休日に労働したかどうかの記録(休日労働の割増賃金35%以上の計算に必要)
- 備考欄:遅刻・早退の理由、残業の事由、その他特記事項(後から状況を確認する際に役立つ)
エクセルの出勤表で自己申告制を採用する場合は、実態との乖離がないか定期的にチェックすることが大切です!
エクセルの出勤表で自己申告制を採用する場合は、実態との乖離がないよう、定期的なチェックや、必要に応じてパソコンのログオン・ログオフ記録との突合などを行うことが推奨されています。
エクセルの出勤表のメリット・デメリットと次のステップ
ここまで、エクセルで出勤表を作成・運用するための具体的な方法を解説してきました。
エクセルは多くの企業で導入されている汎用ソフトであり、追加コストなしで出勤表を作成できる点は大きなメリットです。
関数や条件付き書式を活用すれば、かなり高度な自動化も実現できます。
「予算がない」「とりあえず今すぐ使いたい」という方には、エクセルは心強い味方ですね!
しかし、エクセルでの出勤表管理には限界もあります。
従業員数の増加、複数拠点の管理、法改正への対応など、状況の変化によってエクセルでは対応しきれなくなるケースも少なくありません。
「毎月の集計に半日以上かかる」「入力ミスや計算間違いが頻発する」「誰がいつ修正したかわからない」——こうした課題を感じ始めたら、運用方法の見直しや、システムへの移行を検討するタイミングかもしれません。
このセクションでは、エクセル管理の限界サインを具体的に示したうえで、次のステップとして検討できる選択肢を紹介します。
エクセル管理の限界を感じたら
エクセルでの出勤表管理は、小規模な事業所や、勤務形態がシンプルな職場では十分に機能します。
しかし、以下のような状況が発生し始めたら、エクセル管理の限界に近づいているサインです。
現状を客観的に評価し、改善の方向性を検討してみてください。
📝 限界サイン①:従業員数の増加による管理負荷の増大
従業員が20名を超えてくると、1枚のシートで全員を管理することが難しくなります。
シートを分割すると集計作業が煩雑になり、部門別・拠点別の管理はさらに複雑化します。
毎月の集計作業に数時間以上かかるようになったら、効率化の余地があると考えてよいでしょう。
📝 限界サイン②:複雑な勤務形態への対応困難
変形労働時間制、フレックスタイム制、複数のシフトパターン、直行直帰など、勤務形態が多様化すると、エクセルの計算式だけでは対応が難しくなります。
特に、法定労働時間の計算方法が週単位や月単位で異なる変形労働時間制では、複雑な条件分岐が必要となり、式のメンテナンスだけでも大きな負担になります。
変形労働時間制を導入している企業では、計算式の複雑さに悩まされることが多いですね…
📝 限界サイン③:入力ミスや改ざんリスクへの懸念
エクセルは誰でも自由に編集できるため、意図しない上書きや削除、最悪の場合は改ざんのリスクがあります。
「誰が」「いつ」「何を」変更したかの履歴を追跡することが難しく、データの信頼性を担保しにくいという課題があります。
労働基準監督署の調査や労務トラブルの際に、記録の正確性を証明できない可能性があります。
📝 限界サイン④:法改正への対応負担
労働基準法(e-Gov法令検索)や関連法令は頻繁に改正されており、その都度エクセルの計算式や管理項目を見直す必要があります。
2019年の働き方改革関連法(厚生労働省)による残業上限規制、2023年の中小企業への月60時間超割増賃金率引き上げの適用など、法改正に合わせてエクセルを修正する作業は、担当者にとって大きな負担となります。
📝 限界サイン⑤:リアルタイム性の欠如
エクセルでの管理は、基本的にデータ入力後の事後確認となります。
「今月の残業時間があと何時間で上限に達するか」「今日の出勤状況はどうなっているか」といったリアルタイムの把握が難しく、36協定(厚生労働省)の上限超過を未然に防ぐことが困難です。
📝 限界サイン⑥:リモートワークや複数拠点への対応
テレワークの普及や事業拡大により、従業員が複数の場所で働くようになると、エクセルファイルの共有・集約が煩雑になります。
ファイルのバージョン管理の問題、同時編集の制限、ファイルの破損リスクなど、運用上の課題が増加します。
テレワーク環境では「どのファイルが最新版かわからない…」という問題が起きがちです。
これらの限界サインに複数該当する場合は、勤怠管理システムへの移行を検討することをおすすめします。
ただし、いきなり大規模なシステム導入を行う必要はありません。
まずは現状の課題を明確にし、優先的に解決すべき問題を特定したうえで、段階的に移行を進めることが現実的なアプローチです。
- 現在のエクセル出勤表のデータを新システムに移行できるか
- 従業員が新しいシステムに慣れるまでの教育コストはどの程度か
- 現行の給与計算システムや人事システムとの連携は可能か
無料の勤怠管理ツールから始める選択肢
エクセル管理の限界を感じていても、「コストをかけられない」「いきなりシステムを入れるのは不安」という声は多くあります。
そのような場合は、無料で使える勤怠管理ツールから試してみることをおすすめします。
無料プランでも基本的な機能は備わっており、小規模な事業所であれば十分に活用できるものが複数存在します。
「まずは試してみる」という姿勢が大切です。無料なら失敗しても損失は少ないですからね!
無料の勤怠管理ツールを選ぶ際のポイントを説明します。
| 選定ポイント | 確認すべき内容 |
|---|---|
| 無料プランの利用条件 | 従業員数の上限、機能制限、データ保存期間など |
| 打刻方法の種類 | PC打刻、スマホアプリ、ICカード、顔認証など |
| 集計・出力機能 | 月間集計、残業時間自動計算、CSV出力など |
| 操作のしやすさ | 管理者・従業員双方にとっての使いやすさ |
| サポート体制 | ヘルプドキュメント、FAQ、問い合わせ対応など |
無料ツールから有料システムへの移行パスについても考慮しておくとよいでしょう。
事業の成長に伴い、無料プランでは対応しきれなくなる時期が来る可能性があります。
その際、同じツールの有料プランにスムーズに移行できるか、蓄積したデータをそのまま引き継げるかは重要な検討事項です。
将来的な拡張性も視野に入れてツールを選定することで、二度手間を避けることができます。
- まずは特定の部署やチームなど、小さな範囲でテスト運用を行う
- 1〜2か月の試用期間を設けて操作性や従業員の反応を確認
- 問題がなければ段階的に対象を拡大し、全社展開へ
いきなり全社導入ではなく、小さく始めて徐々に広げるのがリスクを抑えるコツです!
エクセルでの管理を継続する場合でも、無料ツールで一部の機能を補完するという方法もあります。
例えば、打刻だけは無料ツールで行い、集計はエクセルで行うといったハイブリッドな運用も可能です。
自社の状況と課題に応じて、最適な組み合わせを検討してください。
エクセルの維持・修正にかかる人件費と時間、入力ミスや法令違反のリスク、そしてシステム導入にかかる費用と効果を総合的に比較し、自社にとって最適な選択をしてください。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月にYouTuber事務所の株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場企業の子会社化を実現。2022年12月にスーツ社を新設分割し同社を商号変更、新たに株式会社スーツ設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
現在、スーツ社では、チームのタスク管理ツール「スーツアップ」の開発・運営を行い、中小企業から大企業のチームまで、日本社会全体の労働生産性の向上を目指している。