※この記事は、WEBメディア「The Urban Folks」に連載されている2019年1月29日公開の「リーダーと考える経営の現場・第14回 リーダーシップの旅 前半」 を転載したものです。

 

2019年はじめての「リーダーと考える経営の現場」では、コーヒー・ブレイクを設けて、なぜ私が一人でも多くの方にリーダーになってもらいたいと思うようになったのか、私の「リーダーシップの旅」について、前半・後半の2回にわたり記載をしたいと思います。

私は今の日本では非常に珍しいキャリアを歩んでいます。現在37歳で、会社経営の経験は約15年。その大半が「サラリーマン経営者」としてのキャリアです。

大学卒業後、新卒で就職した上場企業で、社会人2年目には社長室長となって、「サラリーマン経営者」として、買収先や投資先など複数の会社経営に関与しました。その過程で、伊豆シャボテン公園グループといった老舗レジャー施設の企業再生をしたり、当該上場企業の代表取締役社長を務めたりしました。

現在は、今までの会社経営の経験を活かし、「プロ経営者」として、株式会社スーツという時価総額100億円以下の中堅企業・中小企業・小規模事業者など中小企業等に対して経営支援をする、いわゆる経営コンサルティング会社を経営しています。

私は若い頃からメンター(仕事上または人生の指導者・助言者)に恵まれてきており、学生時代に出会ったメンターの方は、優秀な社会人になるための勉強する癖を身につけさせてくれたり、経営学修士(MBA)で習うような経営戦略、マーケティング、アカウンティング、オペレーションやファイナンスなどの経営学の知識を教えてくれたりしました。社会人になってから出会ったメンターの方は、金融機関で長らくトップ営業マンだった方で、組織で生きるとはどういうことか、お金を稼ぐとはどういうことかなど社会の厳しさを教えてくれました。

20代前半の頃の私は、これらのメンターの方々から教えていただいた経験、知識、会社という組織の論理と資本主義社会の論理を踏まえ、会社から与えられた組織の地位や権限など「パワー」を用いて、常に最短距離で、効率よく合理的に売上・利益を増大させて、経営を推し進めることが仕事だと考えていました。

そのため、例えばリーマン・ショック後に手掛けたいくつかの企業再生案件では、赤字も酷く資金繰りも厳しい会社の多くの従業員の雇用を守るために、やむなく一部のスタッフについては人員整理をしましたが、それこそ「テキパキ」と対応し、会社の業績を回復させました。

当時の私は、経営者とはマネジメント(経営管理)をする人で、優れた経営者とは、どのような状況下でも、現状を受け入れ、複雑さに対処し、組織を優先し、数字を追いかけ、管理して人を動かし、正しく手続きを処理できる管理者だと信じていました。

この経営スタイルやマネジメント方法で、私が経営に関与した多くの会社の業績は良くなりましたし、その結果について会社の幹部クラスや先輩方も喜んでくれていました。

しかし、20代半ばの頃に、当時の上司を通じて、たまたまご縁をいただいた方から、ある日突然、「君は若いから、君の人間としての器を広げて、人間力を鍛えてあげよう。優れた経営者になるために、マネジメントだけではなく、リーダーシップを学びなさい。」と言われました。

当時、私は、「経営者=リーダー」だと捉えていたので、「マネジメント能力が高い=リーダーシップがある」と勘違いをしていましたし、もっと言うと、子どもの時から、リーダーシップという言葉は見聞きをしてきたものの、リーダーシップがどういうものなのかを考えたことすらありませんでしたので、いきなり「リーダーシップを学べ」と言われてもピンときませんでした。

数日後、その方から、続けて「組織の地位や権限など『パワー』は一切使わずに、リーダーシップだけで企業再生させなさい。」と言われました。

前述のとおり、当時、私は、会社から与えられた組織の地位や権限など「パワー」を用いて効率よく合理的にマネジメントすることが正しいと信じていましたので、これについても何を言っているかさっぱり理解できませんでした。むしろ企業再生案件を取り巻く、厳しい資金繰りなどの現実の問題を全く理解していない無理難題のように思ったものです。

さらに、その後、その方から「私は、政治家として、リーダーシップとインテリジェンスを実践してきたから、それを教えてやる。」とも言われました。その方は、過去に大臣を務めた経験のある方でした。

今ではその方との出会いを心から感謝しているのですが、当時は、このような経歴の方と長く交流することになり、それこそ私の新たなメンターになるとは想像もしていませんでした。

これが私の経営者人生における「リーダーシップ」との出会いでした。

 

 

「リーダーと考える経営の現場」

第1回 「はじめに」
第2回 「リーダーシップに立場は関係ない」
第3回 「マネジメントとリーダーシップの違い」
第4回 「人は性善なれど、弱し」
第5回 「自責と他責」
第6回 「人として正しいことを」
第7回 「リーダーは自然体」
第8回 「サーバント・リーダーシップ」
第9回 「愛され畏れられる存在」
第10回 「傲慢な存在」
第11回 「子どものように叱る」
第12回 「奇跡を起こし、神となれ」
第13回 「Lead with love」
第14回 「リーダーシップの旅 前半」
第15回 「リーダーシップの旅 後半」

 

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介

 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。